2014年2月23日日曜日

エゾシカ捕獲解体処理新人研修会(パート2)

2月23日、支部主催の「エゾシカ捕獲解体処理新人研修会」に参加した。昨年11月にも開催されたが、2回目の開催を希望する声が多数あったことから実施の運びとなったもの。早来のセブンイレブンに午前7時に集合する。今回の出席者は約40名。

午前中は近くの森でエゾシカの捕獲実習を行う。打ち合わせを行って各部会の配置を決める。我々は前回と違う場所で待つことになった。

 午前9時、待ち場に到着する。私の付いた場所は見通しの良いところである。シカを見つけやすいが、シカからも見つかりやすい。切り株を台座にして待ちの体制に付く。
 
全ての部会が待ちに付いた午前10時、勢子がスタートしたとの無線が入る。ほどなくして対岸の尾根から3頭のシカが降りてくるのが見えた。急いで銃を取ろうとした瞬間、シカの動きが止まった。まずい、気付かれたか・・・。しばしシカとのにらみ合いが続く。距離は約100m。十分狙える距離だが、枝がじゃまして撃つことができない。次の瞬間、シカはゆっくりと戻り始め、尾根の裏側に回って姿を消した。完全に自分の負けだった。

午前11時を回った頃に待ち解除の無線が入る。各部会が集合場所に着くが、収獲はゼロ。午後からの解体研修に向けて千歳市にある施設へと移動する。
 
昼食をとりながら、恒例のシカ肉の試食会が行われる。炭火で焼いたシカ肉はとてもおいしい。今回はモモ肉のうち「しんたま」と呼ばれる部分を食べてみた。柔らかくてクセもなく、いくらでも食べられる。

こちらはモモ肉のしゃぶしゃぶである。ガーリックソースを付けて食べるとおいしい。肉が凍った状態のままスライサーという機械で薄く切るのがコツらしい。

 こちらはスネ肉のザンギである。とてもジューシーでおいしい。こういう食べ方があるとは知らなかった。エゾシカをおいしく食べる方法を伝えることも重要な対策の一つなのである。

食べた後は解体の研修である。解体には前日に捕獲したシカを使用する。解体の方法は毎回ほぼ同じであるが、その時には気がつかないこともあり、都度新たな発見があるものだ。

解体実習が終わった後、全員で記念撮影を行って解散となった。今回は待ちでの自分の失敗がわかったので、次回は同じ失敗をしないようにしようと思う。やればやるほど狩猟は奥が深いというか、難しいものである。
 

2014年2月6日木曜日

「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を斬る!

昨年12月、環境省と農林水産省は「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」なるのものを発表した。何やら気合の入った名称であるが、どんなものなのか改めて資料の内容に目を通してみることにした。特記すべきポイントは概ね下記の通りである。
①鳥獣保護法の名称を「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に変更する。
②10年間で現在のシカの生息頭数325万頭を160万頭、イノシシ88万頭を50万頭まで減少させる。
③都道府県が行う捕獲事業について夜間の銃による捕獲を可能とする。
④わな猟及び網猟の免許取得年齢を従来の20歳から引き下げる。
⑤捕獲を専門に行う事業者の認定・育成を実施する。
⑥鳥獣被害対策実施隊への積極的な参画を促進する。
⑦担い手確保と射撃技術の向上を図るため射撃場の整備を推進する。

他にも色々とあるようだが、とりあえず気が付いたことを書いてみたい。
①について、「管理」という概念を加えることで環境に配慮することを示したものであろうが、今さら何を言ってるんだといった感じ。
②の数字的な根拠は不明。国が数字を示すということはそれなりの責任が求められるのだが、「必要に応じて目標を見直す」という逃げ道はしっかり用意しているようだ。
③は安全性を確保することが前提となっているが、夜間発砲には大変な危険が伴う。本当に大丈夫なのかといった不安は拭えない。
④では、わな猟及び網猟の年齢は引き下げるが、銃猟はそのままである。これではわなにかかった獲物を自らの銃で止め刺しすることはできない。今回の規制緩和が見せかけだということをいみじくも表している。
⑤の事業者というのがどんなものを想定しているのかわからないが、同じことをやっているにもかかわらず、一部に変な特権を与えるとロクなことにならないのは周知の事実だろう。
⑥都市圏の大多数のハンターは実施隊に入りたくても実施隊に入れない。その一方でハンターがいなくて活動がままならない地域の実施隊がある。この状況は未だに全く変わっていない。これもただ書いているだけでおそらく何も進まないと思う。
⑦もごちゃごちゃ言っていないで国の責任で早くやれって感じ。クレー射撃場の無い県は全国で7つのみだが、ライフル射撃場は半分以上の県で設置されていない。それにもかかわらず各県単位で技能講習が行われているというおかしな実態が続いているからだ。

ということで今回の鳥獣捕獲強化対策はまったくの期待外れ。というかそもそも何も期待はしていないし、この程度の対策を出したからといって根本的な問題の解決になるわけもない。頭の良い環境省と農林水産省の役人ならハンター減少の原因が現場の実態を知らない警察官僚が作った現在の銃刀法にあることくらいわかっているはずだ。かといって何もしないというわけにはいかないので、とりあえずアリバイ程度にこの対策を作ったというのが本当のところだろう。抜本的に変えなければならないのは鳥獣捕獲対策ではない。現在の行政システムなのである。

2014年2月4日火曜日

猟友会大新年会&慰霊祭

19日、猟友会支部の大新年会&慰霊祭に出席する。会場は昨年と同じくサッポロビール園で開催された。

この日の出席者は約120名。もちろん会場は貸切である。
 
最初に慰霊祭が行われる。鳥獣達の霊を鎮める年に1回の大切な行事である。お祓いしてもらうことで何となく気持ちが楽になるような感じがする。 

新年会の始めに支部長の挨拶。先日発生した事故の概要と安全狩猟の徹底についての話があった。結構大事な話をしているんだけどなあ・・・。

乾杯の後、宴会が始まる。さすが猟師ばかりの宴会だけあって、皆さんホントよく飲むし、よく食べる。もちろんそれだけではない。自分にとっては先輩方の貴重な話が聞ける大切な機会なのだ。あちこちの席を回って、どういうところに獲物がいるか、気を付けなければならないことは何かを聞く。机の上の知識や少しばかりの経験だけでは使い物にならない。大切なのは経験の積み重ねであり、その手助けをしてくれるのが人の話だと思う。
 
20時30分に新年会はお開きになった。圧倒的に高齢者が多いが、若い人もそれなりにいる。そして何よりも個性的な人が多い。本当に面白い組織である。
 

2014年2月2日日曜日

海外通販体験記

どんなに良い鉄砲を持っていても当たらなければ意味がない。そのためにもスコープ合わせが必要なのだが、射場に備え付けの砂袋ではスコープ合わせもままならない。やはり自分専用のライフルレストが必要なので購入することにした。
 
ところが国内サイトではどうも気に入ったものが見つからない。一方、海外通販サイトを覗いてみると種類も豊富で価格も安い。気に入ったライフルレストに目星を付け、カ○ラス社、X○ーダー社、ナ○チェス社からの購入を検討することにした。
 
まずはカ○ラス社。商品の種類も多く、送料は価格で決まる方式。日本語サイトもあって安心ということもあり、ここに決めようと思っていたら、当該商品のセールが終了してしまい79ドルから99ドルに値上がり。踏ん切りがつかなくなり、やむなく断念。

次にX○ーダー社。「アメリカアマゾンから簡単個人輸入」との触れ書きである。商品代85ドル、送料58ドルは相場的に悪くない。さっそく登録し、商品を発注すると、翌日にメールが来た。「ご注文された商品は弊社ではお取り扱いできないお荷物となりますのでご注文をキャンセルさせていただきます」とのこと。だったら最初から載せるなよと思いつつこれも断念。
 
最後にナ○チェス社。米国内の銃砲店への卸価格で販売しているとのことであり、商品代は69.99ドルと最安値。送料がわからないのが不安だが、とりあえずこれ以上探すのも待つのも疲れるので、ここに決定。ちなみにサイトは全て英語であり、四苦八苦しながらユーザー登録し、ネットでの注文を終えた。
 
翌日、メアリージョーンズという方からメールが来た。どうやらナ○チェス社の事務担当者のようで、商品の発送にあたって下記のどれで送るか連絡がほしいとのこと。

USPS Express Mail - $134.99
USPS Priority Mail - $98.64
USPS First Class Mail - $- no tracking information or insurance available--not available on this shipment

ネットで色々と調べたところUSPS Priority Mailが無難のようなので、「Please USPS Priority Mail」と私の名前だけ書いて返信する。2日後、メアリージョーンズから「商品代と送料を合計して168.63ドルになります」といった内容のメールが来た。

10日後、自宅に荷物が届いた。カミさんから「何の荷物?」と怪訝そうに聞かれ、「いや、つまらないものだから・・・」とかわすも箱を見れば一目瞭然。やはり完全にばれている模様。
 
購入したライフルレストはコールドウェルの「Lead Sled Solo」という一体型のもの。国内では売っておらず、とりあえず形が気に入ったというのが選んだ理由である。
 
予想どおり取扱説明書は全て英語で書かれている。とりあえず写真を見ながら組み立てる。部品もそれほど多くないので簡単である。
 
苦労したのが真ん中の高さを変えるネジ部分。かなり力を入れないと入っていかない。締めたり緩めたりを繰り返しながら何とか入れることができた。
 
サベージをセットするとこんな感じ。本体だけでも結構重たいが、さらに砂袋を乗せて安定するような工夫がされている。
 
空気銃にも使用。ポンプ式の場合、1回撃つたびにライフルレストから下ろしてポンピングしなければならないので少し面倒かもしれない。

はじめは不安もあったが、初めての海外通販で特にトラブルも無く購入することができた。結果的に本体よりも送料の方が高くなったが、そのことよりも今回は気に入ったライフルレストを購入することができて良かったと思っている。円高であればもっと安く手に入るのであろうが、日本にないものを買うことができるというのは大きなメリットだ。これからも上手に使っていきたいものである。