師走に入り、山に行けない日が続いていたが、何とか1日空けてシカ猟へ行く。北見周辺の林道は先週の雪で埋まっており、車で入るのは難しい状態。雪が少ない場所を求めてシカ猟のメッカである白糠町まで走る。
現地到着はすでに11時30分。雪は思ったよりも積もっている。新しい足跡を探しながら林道の奥にあるポイントに車を停める。
森の中にも縦横無尽に足跡が付いている。シカの気配を強く感じながら、沢沿いに付いている新しい足跡をゆっくりと辿っていく。
歩き始めて10分ほど経った時、左の斜面に2頭のシカを確認した。メスはあっという間に逃げて行くが、オスは木と木の間でじっとしている。距離は約60m。スコープのど真ん中にシカの姿が写っている。ゆっくりと引金を引いた瞬間、轟音とともにシカは斜面を転がるように沢へと落ちてきた。弾は前足の付け根に当たっていた。2歳のオスだった。
さっそく解体すると、今まで獲ったシカの中でも最高ランクの素晴らしい肉質だった。山からのうれしいクリスマスプレゼントである。車からそれほど遠くないので、ほぼ全ての部位を持ち帰ることにする。肉がどっさり入った袋を引きずりながら、サンタクロースになった気分で猟場を後にした。