2017年7月18日火曜日

農家のための有害駆除

昨年上期における有害駆除の実績はキツネ1匹のみ。昨年の反省を踏まえ、今年は鳥獣被害がありそうな農家に積極的に伺って獲らせてもらうことにした。いわゆる飛び込みである。初めは不安だったが、どこの農家も好意的に受け入れてくれた。


特に困っているのが酪農家である。カラスはとても利口であり、私の姿を見た途端あっという間にいなくなるが、姿を隠していると必ず戻って来ることがわかった。隠れて待ちながら撃つ方法で捕獲効率を上げることができた。


ドバトは牛舎の中に巣を作り、その糞で施設を汚すため衛生上の問題がある。さらにドバトはカラスよりも小さいので狙いにくく、弾にも強いので逃げられることも多い。根気よく捕獲するしかない。


キツネは小さな牛を狙ったりと本当にタチが悪い。乾草舎に隠れていたキツネを空気銃で50メートルの距離から射撃。運良く首に当たり1発で仕留めることができた。


キジバトは植えたばかりの種や新芽を食害する。こいつもドバトと同じで狙いにくく、さらに警戒心が強く、すぐに飛んでいってしまう。待ち伏せで捕獲する。


右側の高い電信柱の先端がカラスのお気に入りの場所である。ここに来るのをひたすら待つ。長時間来ないこともあるが、ここはカラスとの根比べである。
ほぼ週1回ペースで回っているうちに農家の人たちとも仲良くなって自然と挨拶や会話も弾むようになってきた。昨年とは打って変わってやりがいを感じている。


2017年7月17日月曜日

安全狩猟全道射撃大会

7月2日、栗山国際クレー射撃場で安全狩猟全道射撃大会が開催された。猟銃等の取り扱いのマナー向上と狩猟事故の防止を目的として今年で28回目の開催。全道4支部34名の会員が参加した。


大会長挨拶の後、ルール説明が行われた。競技はダブルトラップ30点、シングルトラップ20点、スキート20点の合計70点。私は第一射団となるが、どうも調子がつかめない。しかも撃ってはいけない白色クレーを2枚も割ってしまい大減点。厳しいスタートとなった。


続いてスキートだが、ここの皿のスピードは遅めなので自分としては撃ちやすい。ただし速いスピードに慣れているベテラン達は苦戦していたようだ。シングルトラップも当たらず終了。


優勝は旭川チーム。さすがに全道大会ともなると参加者のレベルは高い。


お揃いのユニフォームで参加した北見チームは2チームエントリーするも4位、5位。私の順位はどうか聞かないでください。(泣)


2017年7月6日木曜日

担い手発掘射撃講習会・有害鳥獣駆除員安全射撃競技会

6月25日、北海道猟友会北見支部主催の「オホーツク管内猟友会担い手発掘射撃講習会・管内有害鳥獣駆除員安全射撃競技会」が開催された。ハンターの担い手確保と安全意識の向上を目的として開催され今年で5回目。猟友会員54名が参加した。


当日はあいにくの大雨。種目はトラップとダブルトラップの40枚割。悪天候にもかかわらず参加者個々が果敢にクレーを割っていく。女性会員が連続してクレーを割る場面では会場から大きな歓声と拍手があがった。


昼食はシカ肉カレーライス。今年は肉がゴロゴロと入っていて美味しかった。私はダブルトラップで崩れて20位。結果はともかく楽しい大会だった。


2017年3月23日木曜日

猟期最終戦

長いようで短かった猟期も間もなく終了。3月連休はツルとマリモの有名な町で狩猟を楽しむこととした。初日は林道を流しながらシカのいそうなポイントを探す。

 林の中に1頭のオスを発見。距離は30メートル。同行者が1発で仕留める。時間が早いのでまだまだチャンスはあると判断、急いで解体して先へと急ぐ。

帰り道でカバノアナタケを発見。これを土瓶で沸かして飲むと胃腸に良いらしい。こういった副産物に出会えるのも狩猟の楽しみである。

流し猟も一段落し、スキーを履いて周辺の山を歩くことにする。歩くこと1時間、稜線付近まで行くが風が強くてシカの姿は全くない。降りる途中で2頭見つけて発砲するも当たらず。後から降りてきた同行者が恐る恐る出てきたシカを捕獲。三段角の大きなオスだったとのこと。1日目はこれで終了。

2日目、昨日入った林道の反対側の沢に入る。沢の中はとても広くて見通しが良い。1時間ほど歩いたところで20頭位の群れが前方を横切るのが見えた。ゆっくりと後を追う。

群れは獣道に沿って一列になって移動している。距離は100メートル。1発目、2発目と外す。シカの群れが猛スピードで走り出したが、そのうちの1頭がいきなり目の前に現れた。距離は50メートル。シカは正面を向いており、難しい位置での3発目、シカはその場に倒れた。久々のネックショットだった。

時間もあるのでじっくりと解体し、モモ、前足、ロースなどほぼ全ての部位をビニール袋に入れて下山開始。あまりの重さに袋が破けてしまい、途中で半分の肉を放棄する羽目に。肉がずっしりと入ったリュックは想像以上に重たい。よろけながら山を降りた。

2017年3月13日月曜日

今年の有害駆除

2月26日、北見市内の山林で有害駆除が実施された。午前6時30分、集まった猟友会メンバーは約50名。出発式の後、車で30分ほどのところにある現場へと向かった。


この場所はシカの生息密度が濃いことから植生に影響を及ぼしており、昨年も駆除を実施している。それぞれの班に分かれて待ち場へと向かう。


スキーやスノーシューを使って1時間ほどで待ち場に到着。9時00分に勢子がスタートしたとの連絡が入る。今回は駆除のエリアがかなり限定されており、待ちの間隔が狭い。誰もがシカが来るのをじっと待っている。


ほどなくしてシカの群れが正面の斜面を横切ってきた。待ちの一斉射撃が始まる。シカは一列になって走り、待ちの背後に回り込んでくる。距離は50m。さらに一斉射撃が続く。10分後、目の前にはたくさんのシカが転がっていた。

我々の周りには9頭。駆除の場合は全部回収が鉄則であり、すべてのシカを下まで降ろさなければならない。先ずは沢にシカを落とすが、傾斜がなくて転がらない状態。穴にはまったシカを引っ張ったり、木に引っ掛かったシカを外したりと悪戦苦闘が続く。


しばらくして下からの応援部隊と合流し、2時間かかってすべてのシカを何とか林道まで運び出した。ここまで来れば駐車ポイントまでスノーモービルでシカを運ぶことができる。


さらにシカを小型トラックに積んで集積場所まで運ぶ。この時点で腰と腕がパンパンに張り、痛くて動かせない状態に。


集積場には各班が集合し、シカの捕獲頭数を確認する。集積場所には業者の大型トラックが待機しており、これらのシカはペットフード等の原料として処理されるとのこと。


この日は全部で56頭を捕獲した。やっている行為は同じでも駆除と狩猟は全く別物。いつも思うのだが、駆除というのは本当に空しいものである。


2017年2月22日水曜日

エゾシカセミナー

2月19日、北海道猟友会北見支部主催のエゾシカセミナーが北見市内で開催された。午前中はエゾシカ肉を使った料理教室が開催され、一般市民36名が集まった。


北海道地域と食のプランナーである拔山嘉友氏よりエゾシカ肉を使ったふりかけの作り方を習得する。エゾシカ肉と昆布を炒め合わせ、しょう油、砂糖、酢を入れて煮詰める。最後に鰹節、いりごま、糸唐辛子、一味、山椒を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。結構簡単にできる。

サラサラのふりかけではなく、しっとりした感じである。エゾシカの臭みは全く無く、ご飯にかけて食べるととても美味しい。味付けが濃いのでさらっとかける形で良い。冷蔵庫で2~3週間保存が可能とのこと。


こちらではスタッフが試食用のシカカツを揚げている。エゾシカ肉を薄めに切ってパン粉を付け、高温で一気に揚げるのがコツ。サクサクしてとても美味しい。


料理教室に引き続き拔山嘉友氏の講演が行われた。エゾシカ肉の活用について各地の事例を紹介、新たな利用の可能性について期待を込めて話していた。年が明けてからほぼ毎週のように猟友会の活動に参加している。猟友会も獲るだけでなく、社会貢献活動を地道に行っていくことが大切なのだと思う。


2017年2月19日日曜日

ラストチャンス

山には行っているのだが、獲れない日が続いていた。単独でも、共同猟でも発砲すらできないというのは本当に悔しい。後期の有害駆除も早いもので2月24日が最終期限。今回がラストチャンスと決めていつもの山へと向かった。


スキーを履いて歩くこと30分、30m前を3頭のシカが横切った。猛スピードで森の中へと消えていくが、足跡は雪の上にしっかりと付いている。ゆっくりと後を追うと100m先にシカの姿を発見、銃声と同時にシカが走り出す。シカがいた場所を確認すると雪の上に血の跡が点々と続いている。血の量から見てそれほど遠くには行けないと判断、血の跡を追い続けて1時間、よろよろと歩いている獲物を発見し、さらに逃げようとするシカに止め矢を入れた。角の先が枝分かれした若いオスだった。


左モモは弾が入ってしまってダメ、右モモ、背ロース、内ロースのみ持ち帰ることにする。残滓を適切に処理し、肉を肥料袋に入れてロープで引っ張りながら山を降りる。肥料袋は丈夫なので肉を入れるにはもってこいだ。林道を約40分歩いて駐車ポイントに着いた。


自宅に帰り、持ち帰った内ロースでタタキを作ってみた。フライパンで表面を強火で焼いた後、アルミホイルに包んで約10分間おき、ビニール袋に入れて氷水で冷やして出来上がり。おろしポン酢をかけて食べてみたが、臭みもなく柔らかくて美味しかった。シカ肉は中まで火を通さない方が間違いなく美味しいが、この調理法だと中はほとんど生に近い状態。やるなら自己責任で。