2017年2月22日水曜日

エゾシカセミナー

2月19日、北海道猟友会北見支部主催のエゾシカセミナーが北見市内で開催された。午前中はエゾシカ肉を使った料理教室が開催され、一般市民36名が集まった。


北海道地域と食のプランナーである拔山嘉友氏よりエゾシカ肉を使ったふりかけの作り方を習得する。エゾシカ肉と昆布を炒め合わせ、しょう油、砂糖、酢を入れて煮詰める。最後に鰹節、いりごま、糸唐辛子、一味、山椒を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。結構簡単にできる。

サラサラのふりかけではなく、しっとりした感じである。エゾシカの臭みは全く無く、ご飯にかけて食べるととても美味しい。味付けが濃いのでさらっとかける形で良い。冷蔵庫で2~3週間保存が可能とのこと。


こちらではスタッフが試食用のシカカツを揚げている。エゾシカ肉を薄めに切ってパン粉を付け、高温で一気に揚げるのがコツ。サクサクしてとても美味しい。


料理教室に引き続き拔山嘉友氏の講演が行われた。エゾシカ肉の活用について各地の事例を紹介、新たな利用の可能性について期待を込めて話していた。年が明けてからほぼ毎週のように猟友会の活動に参加している。猟友会も獲るだけでなく、社会貢献活動を地道に行っていくことが大切なのだと思う。


2017年2月19日日曜日

ラストチャンス

山には行っているのだが、獲れない日が続いていた。単独でも、共同猟でも発砲すらできないというのは本当に悔しい。後期の有害駆除も早いもので2月24日が最終期限。今回がラストチャンスと決めていつもの山へと向かった。


スキーを履いて歩くこと30分、30m前を3頭のシカが横切った。猛スピードで森の中へと消えていくが、足跡は雪の上にしっかりと付いている。ゆっくりと後を追うと100m先にシカの姿を発見、銃声と同時にシカが走り出す。シカがいた場所を確認すると雪の上に血の跡が点々と続いている。血の量から見てそれほど遠くには行けないと判断、血の跡を追い続けて1時間、よろよろと歩いている獲物を発見し、さらに逃げようとするシカに止め矢を入れた。角の先が枝分かれした若いオスだった。


左モモは弾が入ってしまってダメ、右モモ、背ロース、内ロースのみ持ち帰ることにする。残滓を適切に処理し、肉を肥料袋に入れてロープで引っ張りながら山を降りる。肥料袋は丈夫なので肉を入れるにはもってこいだ。林道を約40分歩いて駐車ポイントに着いた。


自宅に帰り、持ち帰った内ロースでタタキを作ってみた。フライパンで表面を強火で焼いた後、アルミホイルに包んで約10分間おき、ビニール袋に入れて氷水で冷やして出来上がり。おろしポン酢をかけて食べてみたが、臭みもなく柔らかくて美味しかった。シカ肉は中まで火を通さない方が間違いなく美味しいが、この調理法だと中はほとんど生に近い状態。やるなら自己責任で。


北見エゾシカフェスタ2017

2月11日、北海道猟友会北見支部、全日本司厨士協会北見支部、北見消費者協会など実行委員会が主催する北見エゾシカフェスタ2017に参加した。参加者は約150名。前売券は完売しており、会場のオホーツクビアファクトリーは満席の状態。



エゾシカ肉を使った料理が食べ放題。この日のシカは会員が捕獲し、食肉施設で処理したもの。地ビールを飲みながらどんどん食が進んでいく。




リエットはパテのようなものでこってり系。ガーリックトーストにつけて食べると美味しい。




ロースステーキは柔らかくて美味しい。レアの方が美味しいが、中まで火が通り過ぎの印象。やはりイベントでの生食は避けなければならないのだろう。





この日の一番はシカカツ。作り方のコツを料理長に聞くと、肉は薄く切り高温で一気に揚げることがポイントなのだとか。シカカレーをかけるとカツカレーになるが、これまた絶品だった。




チンジャオロースーはもう少しピーマンが多い方が良かったかな。ジンギスカンはビールに良く合う一品である。




ホイコーローはご飯が欲しくなる。黒ビール煮は口の中で肉がホロッと崩れる食感がいい。




もちろん名物のオホーツク塩焼きそばもある。この他にもサラダやデザート、スープなど食べ切れない位の料理が盛りだくさん。これだけ食べて2000円は格安である。




2時間ほどでイベントは終了。会場内には射撃シミュレーターでの射撃体験コーナーや女性ハンター井坂美保子さんのトークセッションもあり、充実した内容だった。このイベントが新たな狩猟の担い手確保につながることを期待したい。




新人育成

2月5日、北見市主催の新人育成に参加。狩猟を始めて1~2年目の若手猟友会員を対象に先輩猟師達の狩猟技術を習得してもらうことが目的である。午前中は共同猟を実施するが、現場にはシカがほとんどおらず、捕獲はゼロ。



午後に場所を変更、とりあえず解体用のシカの確保に向かう。300メートル先の斜面に3頭のシカを発見し、ライフルを持った会員が遠距離射撃で2頭を捕獲した。




斜面の途中にいるシカにロープを掛け、平地までシカを降ろしてから車載ウインチでシカを引っ張る。ウインチがあると何かと便利である。




捕獲したシカで解体の実習を行う。腹開きでの解体手順は①肛門の周りを丸く切る②腹を開く③肋骨を開ける④横隔膜を切ってから内臓を引っ張り出す⑤皮をはいでモモ、背ロース、他の部位を取っていく、といった流れである。③はナイフでやっていたが、ノコギリを使った方が良さそうだ。また、④は横隔膜が外れると内臓がごそっといった感じで取れてくる。




日が暮れ始めた頃に全日程が終了。新人でなくても色々な人のやり方を見るのはとても参考になる。シカ引っ張りで痛くなった腰を抱えつつ帰路についた。