2012年12月30日日曜日

新人狩猟者捕獲技術研修

12月8日、「新人狩猟者捕獲技術研修」に参加した。エゾシカネットワークの主催で毎年開催されているものであり、狩猟者になって概ね3年以内の人を対象としている。今回の出席者は18名。
 
午前中は座学が中心であり、道庁の担当者からは狩猟における注意事項や鳥獣保護法に関する話を聞く。また、狩猟に出かける装備を実際に身に着けての説明もあった。こちらは解体の際にシカを吊り下げるハンガー。ホームセンターで購入した材料で自作したとのこと。
 

酪農学園大学の伊吾田講師からは、エゾシカの習性や狩猟法、猟場の選択についての話があった。やはり狩猟にはそれぞれのやり方があって千差万別。要はいかに自分のスタイルを作りあげていくかである。
 
午後からは実習が中心になる。先ずはナイフの研ぎ方を学ぶ。当然だが、ナイフの種類によって研ぎ方も変わる。私のスキナーもこれでかなり切れるようになった。

続いてエゾシカの解体についての実習である。捕獲した子ジカの枝肉から各部位に小分けする方法を学ぶ。実際に山で解体する時は枝肉になっているわけではないが、どの部分をどのように切ると骨を外しやすくなるかが理解できた。ただし、解体については頭で理解するよりも数多く経験を積むことの方が上達の近道ではある。

解体した肉を各班で部位毎に調理する。私達の班は前足部分をフライパンで焼いてみる。風味があってなかなか美味しい。前足は処理の手間がかかる割りに肉の量が少ないので今まではほとんど捨てていたが、食材としての価値は高いと感じた。また、背ロース、ランプも柔らかくてとても美味しかった。一方でバラ肉はゴムのように噛み切れず、それほど美味しくはなかった。

他の班では、モモ肉の「シンタマ」と呼ばれる部分をタタキにする。軽く焼いてからビニール袋に入れて熱湯に15分程度つけておくと出来上がり。これはなかなかの絶品。エゾシカ肉も調理方法によってとても美味しく食べることができることがわかった。試食の後は全員で後片付けをして研修は終了。

今回の研修を通じて感じたのは、こうした取り組みが新人狩猟者の確保や育成につながること、さらには狩猟者同士のネットワーク作りにとっても大きな意義があるということである。今後もこの研修が続いていくことを願ってやまない。

2012年12月28日金曜日

秋の共同猟

11月上旬、所属する猟友会が主催するエゾシカの共同猟に参加した。場所は夕張の山林。水溜りに氷が張る林道を進み、集合場所へと到着する。

この日のメンバーは約30名。全員で打ち合わせを行った後、各自山の中へと入っていく。今回私は勢子を担当する。

私の班は4名。尾根を大きく回り込む形なので移動距離が長い。傾斜がきつい斜面をひたすら登って尾根上に出る。途中で2頭を発見するが、あっという間に逃げられて発砲はできなかった。

各班と無線で連絡を取り合う。捕獲した班から回収の応援要請があり、急いで現場へと向かう。獲物は沢の中に落ちており、足場の悪い中で解体し、肉をリュックサックに入れて集合場所へと向かう。

集合場所では獲った肉の切り分けが始まっていた。この日の獲物は1頭だったが、前日から獲ったものを合わせると肉の量もかなりのもの。これを参加者で分配する。

猟が終わった後の昼食は豚汁である。部会長の奥さんが作る豚汁は体がとても温まる。

昼食を食べながら情報交換。経験が少ない自分にとってとても貴重な時間である。今回勢子を担当したことで周辺の地形を覚えることができた。この次は1月に共同猟があるので是非参加したい。

2012年10月27日土曜日

念願の一羽

10月1日の解禁以来、毎週カモ猟に通っているが、未だに獲れていない。ため池回りで撃つ機会はあってもなかなかカモに当たらないのである。腕が悪いといえばそれまでなのだが、何とかして最初の一羽が欲しい。徐々に暮れ始めた夕日を見ながら最後のため池に到着した。
 
足音を立てず静かにため池へと近寄る。何と幸運なことに水面に3羽のカモを確認した。草むらに身を潜め、カモが近付いてくるのをじっと待つ。カモは私の存在に気が付いておらず、潜ったり、水面に出てきたりを繰り返している。そうこうするうちに距離は15mほどまで近付いた。銃口をカモに向け、ゆっくりと引き金を引いた。

散弾で水面に水しぶきが立ち、カモが飛び立つ。すぐに行方を目で追い、水際の草むらに逃げ込んだのを確認した。あの飛び方だと何発かの弾が当たっているはず。そう遠くに行けはしないだろう。

カモが隠れているあたりの草むらへゆっくりと近付いていくと、いきなりカモが飛び出してきた。照準をカモの後ろに合わせ、ゆっくりとスイング、銃口がカモを通り過ぎた瞬間に引き金を引く。大音響とともにカモは水面へと落下し、羽をバタつかせながらやがて動かなくなった。

落ちたカモまでの距離は20mほど。車にカモキャッチャーを取りに行き、現場に戻るとカモの上空をトビが旋回している。せっかくの獲物を奪い取られてはたまらない。大声を出してトビを追い払う。

ヤブの中でカモキャッチャーを投げるのも至難の業。何度も投げてやっとのことでカモを回収することができた。どうやら初の獲物は「キンクロハジロ」のようである。マガモでないのが少し残念。あまり美味しいカモではないらしいが、それでもいい。出猟6回目にしてやっと手にした念願の一羽なのである。

2012年10月8日月曜日

カモ共同猟

10月7日、所属する部会のカモ共同猟に参加する。この日の出席者は15名。午
前5時に現地へ集合。まだ暗い道を進んでいく。

各自準備してため池へと向かう。今回は比較的大きなため池であり、これを取り囲むように配置に付く。もちろん対岸に人がいるので水平撃ちはできない。 

カモが出るのをじっと待つ。一発の銃声が響くとともにカモが飛び立つ。それと同時にカモの群れが飛ぶ上空に向けて一斉射撃。何羽かが水面へと落ちていった。

飛び立った群れが池の上空を一回りして戻ってきた。真正面からカモの群れが私の方に向かってくる。群れの真ん中を目掛けて2発撃つが命中せず。飛んでいる目標を撃つというのは本当に難しい。

水面に落ちたカモを回収するのにボートが大活躍。他にも半矢にしたカモを捜索したり、デコイを設置したりとボートがあるかないかで全然違う。
カモも来なくなったので集合場所へ戻ることに。かつては解禁当初にあちこちの沼でカモ猟が行われていて獲りやすかったが、最近では獲物を得るのが難しく、さらに狩猟人口の減少が拍車をかけているとのこと。
  
本日の戦果の一つ。カルガモと袋の中にはコガモが2羽。厳しい状況とはいえ獲っている人は獲っているのである。 

みんなで遅めの朝ご飯を食べる。部会長の奥さんが作ってくれたきのこ汁はとても体が温まる。

部会長が獲ったクマ肉の燻製とシカ肉のサラミである。クマ肉は全くクセが無くて美味しい。火で軽くあぶるとさらに違った旨味が増すようだ。

単独猟も楽しいが、仲間で行う共同猟もまた楽しいものである。次回は11月にシカの共同猟がある。とても楽しみである。


ハンディGPSを使ったカモ単独猟

10月6日、待ちに待った解禁最初の休日である。今回は単独でのカモ猟。2万5千分の1地形図で事前に目星を付けておいた「ため池」をハンディGPSを使って回ろうというものである。画面にはため池の位置がしっかりと表示されている。
 
カーナビで目的地付近に着いたらハンディGPSの出番である。カーナビでは表示されない細い林道もほとんど表示されている。初めて行く場所でも、ため池の位置が手に取るようにわかるのである。

問題なのは地図データと実際が異なっていること。すでにため池が埋め立てられてしまったり、通行止めになっているところはさすがにGPSでもわからない。それにしてもこの道路、馬なんて通ることがあるのだろうか・・・。
 
ため池を回ること2時間、道路から100mほど離れたため池でカモの気配を感じた。上下2連銃の場合、2発で決めなければならない。
 
突然、1羽のカモが右に向かって飛び立った。1発目を撃つが外れる。そして左からもう1羽が出た。2発目も外す。次の弾を入れているところに3羽目が出るが、全然間に合わない。カモは悠々と飛び去っていった。
 
ということで初日は完全に私の負け。しかしハンディGPSがため池回りに有効だということはわかった。結局この日の収穫はいつも行くガソリンスタンドのキャンペーンでもらった卵2パック。「カモ猟に行って何で卵なの?」というカミさんの突っ込みに負けず、次回に期待。

2012年9月16日日曜日

自作カモキャッチャー

もうすぐカモ猟が解禁となる。撃ち落したカモの回収には猟犬がいるとありがたいのだが、そうでなければ自力で回収するしかない。そんなわけで「カモキャッチャー」を自作することにした。
 
釣具店で引っ掛け釣り仕掛けを買ってくる。カワハギ用ということだが、針がたくさんついているので水面に浮かんでいるカモを引っ掛けやすそうだ。
 
投げ竿でカモキャッチャーを飛ばすためにはオモリがいる。かといってカモキャッチャーが沈んでしまっては意味が無い。浮力と重さの両方を兼ね備えた素材はないか考えた末に辿りついたのが木材だった。100円ショップで球形の木材を購入し、ネジを取り付ける。これが浮き兼オモリになる。

引っ掛け仕掛けの中心の針金を半分に切って短くし、浮き兼オモリを取り付けてカモキャッチャーの出来上がりである。

とりあえず浮力テストをやってみる。仕掛けの重さに負けずに浮力を維持しており、何とか使えると思う。これでカモ猟への準備は整った。あとは「カモ算用」にならぬよう確実にカモを撃ち落すのみである。

2012年9月9日日曜日

射撃練習会

札幌に来て5ヶ月が経ち、新しく所属する部会も決まった。入会後間もなく連絡があり、最初の活動である射撃練習会に参加することになった。土砂降りの中、国道275号線を走り、札幌から1時間強で浦臼町にある国際ライフル射撃場に着いた。

場内はこんな感じ。どこの射撃場もそうだが、ライフル発射時の轟音が物凄く、イヤープロテクター無しではいられない。

標的は50m、100m、150m、300mの4段階であり、私は50mと100mを選択する。射撃による緊張感と衝撃は半年振りであり、銃を構えると身が引き締まる思いがする。

スコープに大きな狂いは無く、特に直す必要はなさそうだ。結局この日は20発以上を撃って終了する。

50mの結果。中心を狙ってほとんどが9点から10点に当たっているが、なぜか2点というのもある。ちなみに右上の的は膝撃ちしたもの。射程50mなら何とかなるレベル。

問題は100mである。100mになるとかなり弾が落ちるので、赤丸の上辺付近を狙うと真ん中付近に当たる確率が高くなった。ちなみに全て伏射での結果。

確かに標的に当たったはずなのだが、穴が見当たらなくて変だなと思っていたのが2発ほどあった。終了後、隣の人の標的で私の弾と思われる穴を発見。まだまだ初心者の域を脱していないことを実感する。

隣の的狙いというアホな失敗もあったが、同じ部会のメンバーから「こうするといいよ」と狙い方のコツを教えてもらうことができたのは大きな収穫。来月の解禁が待ち遠しいものである。

2012年8月26日日曜日

お気に入りのナイフ達

狩猟にとってナイフは必需品。木を切ったり、獲物を捌いたりと色々なことに使える。今回は自分の相棒として山へ持っていくナイフ達を紹介したい。

十徳のアーミーナイフ。職場のレクレーションにて景品としてもらったもの。ナイフやドライバーなど色々と付いているが、どれもが中途半端な作り。しかし、コルク抜きやハサミなど意外な時に重宝することがある。最近は釣り用ベストの中に入れっ放しである。

ビクトリノックスのアーミーナイフである「ソルジャー」。スイスに行った時に買ってきたもの。作りが頑丈なので十分実用に耐える。現在は主にキャンプで使用しており、狩猟で使ったことはない。

無名のフォールディングナイフ。スペインのトレドに行った際に買ってきたもの。刃渡りが小さいのでシカの解体には適さないが、部位を切り分けたり、骨を外したりといった作業には十分使える。ベストのポケットに常備している。

シカ解体用のナイフ。猟友会の部会長にいただいたもの。解体にはコンバットナイフのようなデカいものが必要と思われるかもしれないが、刃渡りはこのナイフのように10cmもあれば十分である。握りがスチール製なので手入れが楽だが、骨に当たるとすぐに刃こぼれするので何度も研いで使っている。

山岳部の先輩からいただいた剣鉈、土居良明作の「百錬小鬼手」である。刀のように刃が鋭く磨かれており、持っているだけで安心感がある。今年の猟からはこれをメインにしようかと思っている。

こうしてみるとナイフにも色々と個性があって見ているだけでも楽しい。とにかく切ることに特化されたナイフには全く無駄がない。そして何よりも機能的に優れた道具というのは本当に美しいものだと思う。