2012年1月26日木曜日

エゾシカ肉でシチューを作る

日曜日に獲れたシカの肉が冷蔵庫にたっぷりと入っている。しかし今回は3歳のオスということもあり肉の臭みがどうも気になる。アク抜きをしっかりできる煮込み系の料理ということでシチューを作ってみることにした。使用部位はモモ肉である。

肉を小さく切り、シカ肉をお湯で茹でる。かなりのアクが出るので湯を入れ替えながら3回実施。これで臭いもほぼ無くなったのでザルにあげておく。

玉ねぎをかるく炒めておく。ジャガイモは煮崩れるので最後に入れる。

炒めた玉ねぎ、アク抜きしたシカ肉、ニンジンを入れて圧力鍋で10分加圧して火を止め、圧力が抜けるのを待つ。
 

鍋を開けてジャガイモを入れ、さらに缶入りホワイトソースを入れて煮込む。ここからは缶に記載のある通りに作る。かわりにデミグラスソースを使ってもよい。

仕上げに牛乳を入れ、塩で味をととのえて完成。とても簡単にできる。

アク抜きのおかげで肉の臭みはほとんどなく、肉もとても柔らかくて美味しく仕上がった。シカ肉は臭みがあるといわれるが、臭いや香りというものはすべての食材に言えることであって、下ごしらえや料理方法でそれをどう料理するかが腕の見せ所でもある。

シカの内ロース(フィレ)の焼肉を添えてみた。ちなみに内ロースは1頭のシカから1kgもとれない部位。これを食べることができるのが猟師の特権でもある。ジンギスカンのタレに30分ほど漬けこんで焼いただけだが、柔らかくてこれが絶品。これからも美味しいシカ肉の料理方法を研究していきたいと思う。

2012年1月23日月曜日

ライフルの威力

今回は隣の部会のHさんとKさんとともに出猟、エゾシカを求めて滝上町の山へと向かう。滝上町はハンターが入猟し易いよう冬期間の林道除雪を行っているのである。ふと林道手前の山の斜面でHさんがシカを発見。私には全くわからない。

 すかさずHさんがライフル銃を構えて発砲する。遠目にシカが倒れるのを確認、回収に近付くと立派な角を持ったオスだった。その距離280m、弾は急所を撃ち抜いていた。まさにスナイパーの世界である。

その場で解体して車へと戻る。今回はソリがあるので運搬も非常にラクである。リュックに入れて運ぶのとは大違いだ。
 

この後は林道内で流し猟を行うが、私にも2度ほど撃つチャンスがあった。1回目は100m近い距離で外し、2回目は50m位の距離だったが林間で狙いが定まらずこれも外してこの日は終了。まだまだ修行が足りないことを実感した。

今回獲ったオスの角を回収してきた。長さは60cm。いつか自分の手で獲ってみたいものである。

2012年1月21日土曜日

ハンディGPSを使ってみる

山歩きの際には自分がどのあたりにいるのか知っておく必要がある。そんなわけでハンディGPSを購入した。ガーミン社の「eTrex20」という機種である。円高ということもあり海外通販で格安で手に入れることができた。

外観はこんな感じで片手にすっぽりと収まるサイズである。海外製品なのでパネルは全て英語表記である。右上に操作キーがあって選択・実行はすべてこのキーで行う形である。なかなか操作しやすい。

地図ソフトは添付されていないので、とりあえずネットで無料の地図ソフトをインストールする。電池の裏にマイクロSDカードのスロットがあって簡単にインストールできる。また、「カシミール3D」というソフトから等高線の入った地形図を切りだして本体に入れることもできる。

さっそく持ち歩いて色々と試してみる。自分の歩いたルートが画面上に線で表示され本体に記憶される。カーナビと同じ感覚である。歩いたルートは本体とパソコンに接続すれば前述の「カシミール3D」で閲覧・保存が可能。それにしても道路の曲がり方だけでなく、右左どちらを歩いたかまでほぼ正確に表示されているのには驚いた。

ケースは出し入れしやすいデジカメ用のものを購入した。ハンディGPSが正確かつ多機能でこれほどすごいものとは思わなかったが、使いこなすまで時間がかかりそうな気もする。いずれにしてもアウトドアで大活躍することは間違いない。

2012年1月9日月曜日

単独猟でシカを獲る

解禁から今までに獲ったシカはどれも猟友会の人たちと一緒に行って獲ったもの。いや獲らせてもらったというべきかもしれない。連休初日、自分だけの力で何とか獲ってみたいとの思いから年末に目星をつけた士別市内の林道へと向かう。

しかしこの世界それほど甘くはない。林道は深い雪に覆われており、林道に入っていきなり車がスタック。タイヤは空回りするばかりで脱出不可能なだけでなく携帯電話も通じない状態。途方に暮れて歩いて道道まで出たところ偶然通りかかったハンターが車で引っ張ってくれて何とか脱出に成功。こうして単独猟の1日目は猟どころではなく、完全な失敗に終わった。

 2日目、昨日の林道がどうしても諦められない。今日は道道に車を停めてスキーで入ってみることにする。何日か前のタイヤ跡をたどりながら奥へと進んでいく。新しいシカの足跡があちこちにあり、間違いなく獲物がいることを確信する。

30分ほど歩いた林の中で2頭のシカを発見。距離は約20mとかなりの至近距離だ。気付かれないように頭を低くして待ち構える。1頭が横を向いて歩き始めた瞬間に引き金を引く。銃声とともにシカが跳ねあがりすぐ下の川へと逃げていくが、対岸には這いあがれない状態。おそるおそる近付いていくと水の中にシカが倒れていた。弾は胸部を貫通しておりほぼ即死状態。1歳のオスだった。

靴のまま川に入って獲物を引き寄せる。いつもは猟友会の人たちがやってくれた解体作業を今回は自分がすべてやらなければならない。ベテランのやり方を思い出しながら、まず腹部を開き内臓を取り出す。さらに皮を剥ぎ、後足を取り外し、背中にあるロースを切り出した。1時間近くかかって作業は終了。川の近くということもありとてもきれいに作業をすることができた。

解体したシカ肉をビニール袋に入れてリュックにしまう。肉はとても重く、20kg以上ある。重さでよろけながら来た道を車に向けて歩いていく。何とか車にたどり着くも腰が痛くてしばらく動けない状態だった。

自宅で肉を小分けにしていく。一人ではとても食べきれない量だ。今回の猟を振り返って、確かに自分の力で獲ったという充実感はある。しかし、それ以上に単独猟はとても大変な労力を要するものであった。また当然ながら一人の場合は危険時の対応といった問題も出てくるはずである。いずれにしても今回の経験を通じて自分が今後どういうスタイルで猟を行っていくべきなのか考える機会になったと思う。