2012年1月9日月曜日

単独猟でシカを獲る

解禁から今までに獲ったシカはどれも猟友会の人たちと一緒に行って獲ったもの。いや獲らせてもらったというべきかもしれない。連休初日、自分だけの力で何とか獲ってみたいとの思いから年末に目星をつけた士別市内の林道へと向かう。

しかしこの世界それほど甘くはない。林道は深い雪に覆われており、林道に入っていきなり車がスタック。タイヤは空回りするばかりで脱出不可能なだけでなく携帯電話も通じない状態。途方に暮れて歩いて道道まで出たところ偶然通りかかったハンターが車で引っ張ってくれて何とか脱出に成功。こうして単独猟の1日目は猟どころではなく、完全な失敗に終わった。

 2日目、昨日の林道がどうしても諦められない。今日は道道に車を停めてスキーで入ってみることにする。何日か前のタイヤ跡をたどりながら奥へと進んでいく。新しいシカの足跡があちこちにあり、間違いなく獲物がいることを確信する。

30分ほど歩いた林の中で2頭のシカを発見。距離は約20mとかなりの至近距離だ。気付かれないように頭を低くして待ち構える。1頭が横を向いて歩き始めた瞬間に引き金を引く。銃声とともにシカが跳ねあがりすぐ下の川へと逃げていくが、対岸には這いあがれない状態。おそるおそる近付いていくと水の中にシカが倒れていた。弾は胸部を貫通しておりほぼ即死状態。1歳のオスだった。

靴のまま川に入って獲物を引き寄せる。いつもは猟友会の人たちがやってくれた解体作業を今回は自分がすべてやらなければならない。ベテランのやり方を思い出しながら、まず腹部を開き内臓を取り出す。さらに皮を剥ぎ、後足を取り外し、背中にあるロースを切り出した。1時間近くかかって作業は終了。川の近くということもありとてもきれいに作業をすることができた。

解体したシカ肉をビニール袋に入れてリュックにしまう。肉はとても重く、20kg以上ある。重さでよろけながら来た道を車に向けて歩いていく。何とか車にたどり着くも腰が痛くてしばらく動けない状態だった。

自宅で肉を小分けにしていく。一人ではとても食べきれない量だ。今回の猟を振り返って、確かに自分の力で獲ったという充実感はある。しかし、それ以上に単独猟はとても大変な労力を要するものであった。また当然ながら一人の場合は危険時の対応といった問題も出てくるはずである。いずれにしても今回の経験を通じて自分が今後どういうスタイルで猟を行っていくべきなのか考える機会になったと思う。

1 件のコメント:

  1. 所長様
    メールどうもありがとうございます。
    何とか1頭獲りましたが、北海道の冬の狩猟はかなり危険です。一人で山に入って何かあったらそれこそ取り返しがつかないことになりかねません。今回はそのことが身にしみてわかりました。

    今年の猟期も本当にあとわずかですね。24年度は鳥獣駆除員としての活動も行っていく予定でいます。何はともあれ「安全狩猟」でいこうと思います。お互い気をつけてまいりましょう。

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