2011年11月9日水曜日

エゾシカ猟解禁・デビュー戦

10月1日、猟友会の皆さんとともに初めてのエゾシカ猟に連れて行ってもらう。今年はエゾシカ猟の解禁日が三週間ほど早いとのこと。

愛別町にある林道に入ってすぐにエゾシカに遭遇。あっという間に逃げられるが期待が持てそうである。

ほどなくしてまた1頭を発見。距離は約50m。正面を向いているのでどこを狙っていいのかわからず、胸のあたりに向けて撃つ。大きな音とともにシカが跳ねて茂みに逃げ込んだ。しまった、外したと思ったら仲間からは「ちゃんと当たってるよ」とのこと。50mほど先の草むらで倒れているシカを発見。初めての獲物は小型のメスだった。

弾は胸から腹部を通って腰のあたりで止まっていた。見ると弾頭が大きく広がっている。こうした形で弾頭を回収できることはめったにないとのこと。

さらに林道の奥を進むと3頭の群れに遭遇。ゆっくりと獲物に近付くが、お尻をこちらに向けていて急所を狙えない状態。距離は約50m。手前のシカを狙ってゆっくりと引き金を引く。やはり弾は完全に外れ、発射音と同時に3頭がバラバラと動くが、すぐに何も無かったかのようにシカの動きが止まった。真ん中の1頭が完全に横を向いている。落ち着いて「あばら3枚目」を狙って引き金を引く。「パーン!」という音とともにシカはその場に崩れ落ちた。

今回の獲物は先ほどより一回り大きいメス。弾はシカの首を貫通しており、「ネックショット」と言う最も理想的な形。今回は「まぐれ当たり」以外の何物でもないが、シカを苦しませずに仕留めることが大切なのだという。初めての猟にして2頭も仕留めることができたのは自分にとって出来すぎの内容だった。

2011年11月8日火曜日

猟師になるために要する費用は?

ここに至るまでかかった費用はざっとこんな感じである。
<狩猟免許関係>
・狩猟免許予備講習(銃・わな合わせて)10,000円
・狩猟免許受験手数料(第一種銃猟)5,200円
・狩猟免許受験手数料(わな猟)5,200円
・健康診断書2,625円
・返信用切手代・その他280円                 
  合 計        23,305円

<初心者講習関係>
・講習料6,800円

<射撃教習関係>
・申請手数料8,900円
・戸籍抄本手数料450円
・身分証明書手数料300円
・住民票手数料350円
・猟銃用火薬類譲受許可証2,400円
・健康診断書2,625円
・写真代1,500円
・射撃講習料31,500円
・装弾代3,150円
・返信用切手代・その他350円                
  合 計       51,525円

<銃砲所持許可関係>
・申請手数料10.500円
・身分証明書手数料300円
・健康診断書3,000円
・切手代350円                                       
    合 計                 14,150円

<猟友会関係・その他>
・狩猟税16,500円
・大日本猟友会費3,000円
・北海道猟友会費4,000円
・猟友会支部会費4,500円
・猟友会部会費3,000円
・ハンター保険3,000円                           
  合 計              34,000円

以上、狩猟免許取得や銃砲所持許可にかかる経費が約10万円である。あわせて必要な備品であるガンロッカーと装弾ロッカーが5万円位。猟銃はピンからキリまで幅が広く、中古で5万円位、新品だと15万円位からある。この他に狩猟税や猟友会費が毎年3万4千円かかる形である。

2011年11月7日月曜日

所持許可認定&猟銃購入

8月も終わりかかった頃、所轄の警察署から「銃砲所持許可が下りたので許可証を取りに来るように」との電話が来た。許可証は手帳のようになっていて許可を受けた銃の内容が記載されている。また、実包を買う時の許可証として使われるページも綴じられており、銃を持ち歩く際には必ず携帯しなければならない。

9月になり、許可証を持って銃砲店に行く。すでに注文していた銃は届いており、銃を受け取って所轄の警察署に行く。許可証の内容と実際の銃が同じものなのか確認する手続きが必要なためだ。確認はすぐに終わり、これでやっと自分の銃を手にすることができた。初心者講習会の申請からスタートして所持するまで6カ月を要したことになる。また、ベテランハンターとの交流を深めていくため、地元の猟友会にも入会した。

今回購入したのは「サベージ220F」というボルト式ハーフライフル銃。分類上は「ライフル銃及び散弾銃以外の猟銃」に該当し、サボットスラッグ弾という実包を使うものである。ちなみにこの銃の実包のサイズは20番と少し小さめ。また、下側には2発入りの弾倉がある。

ボルト式の特徴であるレバーを上げて手前に引くと薬きょうが排出されて次の実包が装てんされる。ライフル銃はほとんどがこのタイプであるが、ライフル銃以外のボルト式というのは少ない。

この銃は銃腔内の半分(ハーフ)にライフリングという溝が刻まれていて弾に回転を与えて命中精度を上げる形になっている。ちなみに銃腔内全部にライフリングが刻まれているのがいわゆる「ライフル銃」であるが、これは散弾銃所持経験が10年ないと所持が許可されない。

遠くにいるエゾシカを狙うために必要なスコープもあわせて購入。機種は「リューポルドVX-1・3×9」というアメリカ製のもの。銃に取り付ける「望遠鏡」であり、これを付けると遠い標的がはっきり見える。ただし、狩猟に行く前にサイト合わせをしておかないと全然当たらないらしい。やはり出猟前に調整しなければならないようだ。 

スコープを付けるとこんな感じ。見た目は映画なんかに出てくる銃とそっくりであるが、まぎれもなく本物の銃である。初めて銃を持った感想は、まさに「ずっしりと重たい」感じ。銃そのものの重さということもあるが、それ以上に銃を所持することでの色々な何かが重くのしかかってきているということだと思う。 

銃砲所持許可申請

7月25日、射撃教習を修了したので、所轄の警察署に「銃砲所持許可申請」に行く。この人物に銃を持たせて良いかどうかの最終審査であり、これまた多くの書類を作らなければならない。

①銃砲所持許可申請書
②譲渡等承諾書
③同居親族書
④診断書
⑤身分証明書
⑥誓約書
⑦講習修了証明書
⑧教習修了証明書
⑨狩猟免許状
⑩銃砲保管設備に関する報告書
⑪面接補助表
⑫写真2枚

この中で新たに作成しなければならないのは①と⑩である。ちなみに申請書には10500円の印紙を貼り付けする。③と⑥と⑪は教習資格申請の時に作成したものと基本的には同じ。④はいつもの病院、⑤は本籍地の役場、⑫は写真店でとってくる。⑦と⑧と⑨は原本を持っていき警察にてコピーする。

なお、銃砲所持許可申請にあたっては、あらかじめ自分の買う銃を決めた上で申請することが必要になる。一通りの書類を提出した後、いつもの担当官から面接が行われる。先の教習資格申請で私のことは調査済みのようで、それを前提としたやりとりが行われる。

担当官「その後、シカの被害はどんな状況ですか?」
私「農家の方とはあいかわらずシカの話題で持ち切りですね。何とかしてくれといつも言われます」
担当官「近隣住人の方はとても好意的ですね」
私「はい。銃を持つことを話したら頑張って下さいと励まされました」
この他に、銃の保管場所の状況や近所とのトラブルがないかなど聞かれて終了。

担当官に聞くと所持許可がおりるまで申請した日から約1カ月かかるとのこと。今回は電話による調査だけではなく、実際に銃を保管する場所の確認や関係者に対する訪問調査もあるらしい。やっぱりこの場に及んでもそこまでしないとダメなんだろうなあと思いつつ、さらに待つ日が続く。

射撃教習

7月12日、いよいよ射撃教習の日がやってきた。実際に散弾銃を使ってクレー射撃を行い、教習の最後に行われる検定では25枚中2枚以上のクレーを割らなければ不合格になるというもの。散弾銃を初めて撃つ自分としては最大の難関である。不安を抱えながら江丹別にある「旭川国際クレー射撃場」へと向かった。
「旭川国際クレー射撃場」は旭川市内から30分ほどの山の中にある。受付を済ませるとすでに先行者が射撃を行っている音が聞こえる。散弾の発射音は想像以上に大きく「ドーン」という音があたりに響き渡る。今回の受講者は私を含めて3名である。

午前中は座学が中心。テキストによる銃の取り扱いの勉強のあと、銃の分解と組立の実技試験がある。こちらの方は狩猟免許の取得で習ったものばかりなので特に問題はない。

午後から実弾射撃の練習になる。これがクレーという「皿」であり、大きさは直径15㎝位で意外と小さい。今回は「トラップ射撃」という方法で行われ、様々な方向へ離れながら飛んでいくクレーを撃ち落とさなければならない。果たして撃ち落とすことができるのだろうか…。

散弾実包75発を購入。はじめの25発は練習である。緊張しながら銃に弾を入れて構えて引き金を引く。「ドーン」という音とともに肩に衝撃が走る。「これが銃を撃つということなのか…」初めて撃ったその反動の強さに銃を持つ手が震えた。

次に実際に飛んでいるクレーを撃つ練習をするが、ほとんど当たらない。先生が言うには「構えが出来ていない」「引き金を引くタイミングが遅い」「違う方向を向いて撃っている」とのこと。10発撃ってまぐれで1発当たるかどうかという散々な状態。他の2人はきちんとクレーに当たっているが、このままでは自分だけが不合格になるかもしれない。先生から構え方や撃つタイミングについて徹底的に指導を受け、やっと本番に入ることになった。
私の順番は3番目。先の2人はすでに合格している。
先ず1発目。おっ!当たった!
次に2発目。これも当たった!さっきまで全然当たらなかったのに構えを変えたら当たるようになった。
もう周りのことは何も見えない。とにかくクレーにだけ集中する。汗だくになりながらひたすら撃った。
25発撃ち終わり、命中は8発。はじめはどうなることかと思ったが、何とか合格することができた。

最後に教習修了証明書をもらって終了。暑さと疲労が重なり声も出ない状態。
初めて実弾射撃を行った感想としては、射撃というスポーツは思ったよりもハードなスポーツだということ。今回は休みながら75発を撃ったが、通常は4ラウンドで合計100発を撃つのだという。基礎的な体力もそうだが、基本をきちんと学ぶことの大切さを知った。

それともうひとつ、今日の結果を振り返って思ったことは、銃を手にしたからといってすぐに獲物を獲るというのは無理だということ。狙った通りに銃を撃つというのは思ったよりも難しいし、この世界、経験に裏打ちされた技術というのが間違いなくある。現在猟師として活躍されている人たちは何度も練習を繰り返し、さらに実戦を積んできたのだと思う。1人前の猟師になるにはまだまだ道のりは遠いことを思い知らされた1日でもあった。

教習資格申請

猟銃所持で最も大きなヤマ場となるのが「教習資格認定申請」である。
警察も猟銃を実際に撃ったことのない人に所持許可を与えることはできない。このため指定の射撃場で射撃訓練を受け、一定の成績を修めることが必要になる。射撃場とはいえ実際に銃を撃つわけだから、この認定がおりるまでには1カ月ほどかかるらしく、たくさんの書類を提出した上で警察担当官の面接と身辺調査の結果によって許可がおりる形となっている。所轄の警察署で申請書類をもらってきたが、提出書類は下記の通りでかなりの量。自分で書くのはともかく、市役所等まで行って揃えるのは結構大変である。
①教習資格認定申請書…所定の様式により作成
②経歴書…過去10年間の職歴と住所歴を所定の様式により作成
③同居親族書…これも所定の様式。単身赴任で同居していなくてもいちおう作成。
④診断書…指定医のもの。所定様式。
⑤戸籍抄本…本籍地のある市町村役場に請求
⑥身分証明書…本籍地のある市町村役場に請求
⑦住民票…住所地の市町村役場に請求
⑧誓約書…所定の様式。精神的に問題がないことを誓約するもの
⑨講習修了証明書…初心者講習会修了時に受け取ったもの。窓口で当日コピーする。
⑩面接補助表…職場や知り合いの人を記入する様式。記入した先には後日調査に伺うらしい。
⑪写真…2枚(タテ35mm×ヨコ25mm)
まず④の診断書である。診断書は狩猟免許試験の時にも提出しており、その際に受診した旭川市内の病院へ行く。前回の診断から1年以内ということで診察なしで診断書を発行してくれた。
自分で書く様式の①②③⑧はどうということはないが、問題は⑩である。「猟銃等を所持する人」「職場の同僚、上司、知人、友人」「親交ある隣人」をそれぞれ2名ずつ書く欄がある。

住民票は市役所ですぐにとることができたが、身分証明書と戸籍抄本は本籍のある場所でとらなければならない。本籍は結婚した時の町役場においているので、町に郵送で申請する。何かと郵便局にはお世話になることが多い。
証明写真2枚は近くの写真館で撮る。サイズは決まっていて今回使うのはタテ3.5㎝×ヨコ2.5㎝。ちなみに4枚で1500円。残り2枚はタテ3.6㎝×ヨコ2.4㎝のサイズにして、その後の所持許可申請で使えるサイズに切ってもらった。
もらい忘れた書類があったり、届くのに時間がかかったりですべての書類が揃うまでに約半月がかかった。申請書類一式をもって所轄の警察署に行く。警察官が一通りの書類に目を通した後、その場で不備を修正。住所は住民票に書いてある表記と全く同じでなければならない。これとあわせて面接で使用する質問票を記入し、署内の売店で手数料の収入証紙8900円分を購入して台紙に貼り付けて提出。

面接は警察官と一対一で窓口越しに進められる。銃を所持しようと思ったきっかけや近所でのトラブルはないかなど約20分程度のやりとりが行われて終了。面接といっても聞かれたことに普通に受け答えする程度のものであった。許可がおりたら約一ヶ月後に連絡が来るとのこと。

教習資格申請を行ってから落ち着かない日が続いていた。関係者に対して警察の調査が入ることになっており、その後、仕事やら何やらで申請のことを忘れかけていたのだが、札幌の自宅や上司のところにもやはり警察から電話があったとのこと。また、これと前後して警察から近隣住人の名前と電話番号を確認してほしいとの連絡が来た。やむなく近隣住人のところへ「こういう事情で警察が来るかもしれないから」とご挨拶に行く。その方はとても親切な方で「わかりました。がんばって下さいね」と快く引き受けて下さった。

申請からちょうど1か月後、警察から「教習資格の許可が下りたので出頭するように」との電話が来た。どうなることか不安はあったが、奥さんにしっかり管理されている人なら大丈夫と判断されたのかどうかはわからない。少しうれしい気分で警察へと急いだ。
「教習資格認定証」を受け取り、その場で「猟銃用火薬類譲受許可証」の発行手続きをとる。7月に実施される射撃教習では実弾を使うことになるのだが、そのための弾を買うためにはこの許可証が必要となる。申請書に必要事項を記入し、手数料として2400円の印紙を貼って提出。その日のうちに「猟銃用火薬類譲受許可証」を受け取る。「あとは認定証と許可証を持って射撃教習を行っている銃砲店で日程等の確認をして下さい」とのこと。
いつもお世話になっている銃砲店へ射撃教習についての説明を聞きに行く。「7月にやるからそれに出たらいいよ」とのこと。ちなみにこの講習、散弾を25発撃ってクレーを2枚壊せば修了証をもらうことができる。普通の人なら合格するとのことだが、やはり不安なことには違いない。

2011年11月6日日曜日

猟銃等講習会

3月12日に札幌で開催が予定されている「猟銃等講習会」の申請に所轄の警察署に行く。猟銃の所持許可を得るための第一歩である。
玄関を入って「生活安全課」へ行く。担当官が本庁に連絡をとって当日の講習会の空き状況を確認している。定員に達した時点で受付終了とのことだったが、まだ空いているようで一安心。


申請に必要なものは顔写真2枚と印鑑。窓口で申請書を2枚記入する。なお、本籍地は今後の申請の基本になるものなので、正確に地番まで書くようにいわれる。
申請は20分ほどで終了。窓口の担当官の対応も親切だった。ちなみにこの講習会は9時30分~18時00分までの長丁場。おまけに講習会の最後には考査(試験)があり、これで落ちる人もいるらしい。

12日、猟銃所持の最初の関門となる「猟銃等講習会」に出席。会場は「かでる2・7」の9階で、受付時に受講料6800円を支払う。初心者対象の講習時間は9時30分から18時00分とかなりの長丁場である。

講習は「猟銃等取扱読本」に沿って進められる。警察担当官の話は銃砲所持に関して「こういうことはしてはいけません」「法律で決まっていますので」と終始こういった感じ。例えば自分の所持している銃を他人に持たせた人も、持った人も両方処罰の対象になる。正直堅い話ばかりだが、銃を持つのはこんなに厳しいものなんだぞ、それでも本当に持ちたいのか、ちゃんと考えろよということなんだと思う。

猟友会の方からも話がある。実際に自分の経験なども話してくれて参考になる。狩猟で実際に使われる弾丸にも触れることができた。一番右の緑の筒状のものが散弾銃の実包。手前はライフル銃弾である。弾頭の大きさや種類も色々ある。ちなみにこの猟友会の方は自分で火薬を詰めて実包を作っているとのこと。

左がライフル銃弾の「308」というタイプ。北海道にいる動物はほとんどこれで十分でクマも倒すことができるらしい。右は「マグナム弾」で威力は強いが、命中精度が多少落ちるとのこと。ちなみに北海道では鉛製弾頭は使用禁止であり、銅製弾頭の使用が義務付けられている。

講習終了後、17時00分から考査(試験)がある。制限時間は1時間。4択問題が20問出題され70点以上で合格とのこと。簡単だと聞いていたが結構難しい。時間一杯かかってやっと終了。20分後に結果が発表され何とか合格だったが、点数を聞くと75点でギリギリ合格したことがわかった。その場で「講習終了証明書」を受け取り、全て終わったのが18時30分。


第一関門は何とか突破したが、この後は警察での面接、家族や近隣住民等に対する身辺調査と続くことになる。あえて警察のお世話になるようなことを何で俺はやってるんだろうと思いつつ、疲れた体を引きずりながら帰途についた。