10月1日の解禁以来、毎週カモ猟に通っているが、未だに獲れていない。ため池回りで撃つ機会はあってもなかなかカモに当たらないのである。腕が悪いといえばそれまでなのだが、何とかして最初の一羽が欲しい。徐々に暮れ始めた夕日を見ながら最後のため池に到着した。
足音を立てず静かにため池へと近寄る。何と幸運なことに水面に3羽のカモを確認した。草むらに身を潜め、カモが近付いてくるのをじっと待つ。カモは私の存在に気が付いておらず、潜ったり、水面に出てきたりを繰り返している。そうこうするうちに距離は15mほどまで近付いた。銃口をカモに向け、ゆっくりと引き金を引いた。
散弾で水面に水しぶきが立ち、カモが飛び立つ。すぐに行方を目で追い、水際の草むらに逃げ込んだのを確認した。あの飛び方だと何発かの弾が当たっているはず。そう遠くに行けはしないだろう。
カモが隠れているあたりの草むらへゆっくりと近付いていくと、いきなりカモが飛び出してきた。照準をカモの後ろに合わせ、ゆっくりとスイング、銃口がカモを通り過ぎた瞬間に引き金を引く。大音響とともにカモは水面へと落下し、羽をバタつかせながらやがて動かなくなった。
落ちたカモまでの距離は20mほど。車にカモキャッチャーを取りに行き、現場に戻るとカモの上空をトビが旋回している。せっかくの獲物を奪い取られてはたまらない。大声を出してトビを追い払う。
ヤブの中でカモキャッチャーを投げるのも至難の業。何度も投げてやっとのことでカモを回収することができた。どうやら初の獲物は「キンクロハジロ」のようである。マガモでないのが少し残念。あまり美味しいカモではないらしいが、それでもいい。出猟6回目にしてやっと手にした念願の一羽なのである。