平成24年度補正予算で「鳥獣被害防止緊急捕獲等対策」が措置された。予算額は約130億円と結構な規模である。これが24年度中に各都道府県に配分された。北海道への配分額は約17億円で、これを3年間で使っていくことになる。
具体的な内容としては、有害鳥獣の捕獲経費としてイノシシ、シカ、クマ等は1頭当たり8000円、鳥類は1羽200円が交付される。また、防護柵の機能向上にかかる経費、たとえば柵の高さを上げたり、丈夫なものに変える場合にも一定の補助を受けることができる。
ちなみに道の担当者に確認したところ、捕獲経費の交付については駆除を対象としており、狩猟は対象としていないとのこと。狩猟はあくまでも趣味であって、事業対象とするには業務としての位置付けが必要になる。つまり、ハンターの資格をもっていても有害鳥獣駆除員でなければ本事業の交付対象にはならないということだった。当然といえば当然である。
有害鳥獣駆除員になりたい場合はどうすれば良いのだろうか?とりあえず私の家の近所にあるJAに問い合わせてみた。札幌市の場合、駆除対象としている動物はヒグマ、キツネ、カラス、キジバト等でエゾシカは含まれていないとのこと。また、駆除員の選定はJAや行政ではなく、ある人に任されているらしい。猟友会に相談しても「とりあえずそういう事情だから、もう少し待ってくれ」ということだった。
私の場合、農業被害を少しでも減らしたいとの思いでこの世界に入った。10月から3月までの猟期だけでなく、年間通して捕獲活動をしたい。そのために駆除の許可が欲しいのである。そもそも弾代やガソリン代も出せない状態ならこんなことはやっていないが、少なくともお金が欲しくてやっているつもりは毛頭ない。ただ、どんな世界でもお金がちらつくとそこには利権が発生する。どうやら狩猟の世界においても例外ではなさそうなのだ。
いずれにしても本事業ができたおかげで利権化が一層進むことにならないよう祈っている。一般の方から見ると本事業が措置されたことで鳥獣被害対策も大いに進むと思うかもしれない。ただ、そこには色々な問題があるように思えてならないのである。
2013年4月28日日曜日
2013年4月23日火曜日
銃検査
4月中旬、銃検査のため猟銃2丁と必要書類を持って所轄の警察署へ出頭する。銃を所持する者にとって年に1回のイベントである。
警察から日時が指定されるのでその時間に会場へ行くと、すでに順番待ちの列ができていた。はじめに登録している銃が改造されていないか、担当官が長さや口径などを測る。中には銃を4丁も持っている人がいて結構大変そうだった。
その後で面接がある。事前に作成する書類は次の3種類。また、確認のために実包記録簿と所持許可証は必携である。
(1)銃砲検査調査票
(2)銃砲保管状況報告書(3)使用実績報告書
ちなみに(1)は毎年同じ内容を記入する形。(2)も基本的には同じだが、ロッカーの設置場所の図面を添付するので位置を変えた場合は図面の変更が必要。また、写真添付も必要なのでこれも毎年撮り直している。(3)はいつどこで撃ったかを銃毎に2箇所記入する。来年の銃検査のためにいずれの様式もコピーして控えをとっておくと便利である。
面接は担当官と1対1で行われる。今年から調査様式が細かくなったらしく、消費した弾数について詳細に聞き取りされた。私は狩猟で使うたびに記録簿に記録しているので間違いはない。15分ほどで検査は終了した。
担当官によってはかなり時間がかかっている人もいたが、聞かれたことに対して正しく、きちんと受け答えできれば全く問題はない。銃検査だからといって特別どうということではなく、普段からの心掛けが大切なのである。
2013年4月6日土曜日
新聞記事
記事には自分がハンターになろうと思ったきっかけ、そしてこのブログのことなどが書かれている。また、紙上に掲載されている写真であるが、実際の狩猟で撮った写真は画質が粗くて使い物にならず、締め切り直前にカミさんに撮影してもらったものだ。
もうお気付きかと思うが、上記の新聞記事にはモザイクをかけている。私が銃所持者である以上、名前や顔を明らかにすることはもってのほか、自分が誰で、どこに住んでいるかということが特定されてはまずい。もしかすると私の銃を狙っている犯罪者が見ているかもしれないからだ。
自分がハンターであると同時に、銃の所持者であることを隠して生活しなければならないという現実がここにある。もっとも銃による犯罪がこの世から無くなればこういう心配をすることはない。そういう社会が1日も早く到来することを願うばかりである。
2013年3月6日水曜日
シカ肉ソーセージ
先日獲ったシカ肉でソーセージを作ることにした。自分で作るのは無理なので業者に委託加工する形である。まず肉に付いている骨や毛をていねいに取り除き、きれいに洗って冷蔵しておく。
1週間後、札幌市内にある食肉加工業者に肉を持ち込む。ここで加工してくれるソーセージは「クラコウ」と呼ばれるサラミソーセージである。今回は1本300gのものを作ってもらうことにする。
肉の重さを量ってみると全体で2.6kg。ちなみに加工料は1kgあたり1060円、さらに真空パックにすることで1本あたり50円がかかるとのこと。
2週間後、業者からソーセージができたので取りに来てくださいとの連絡が来た。持ち込んだ肉で13本作ることができた。支払合計は3576円。1本あたり275円の計算である。
1本づつ真空パックにしているので、冷蔵庫で保存すれば最低でも1カ月は保存できる。冷凍すればさらに保存できるが、味は落ちるとのこと。
切ってみるとこんな感じ。さっそくビールのつまみとして食べてみる。香辛料がピリッときいていて最高である。家族もこれなら食べられそうということで喜んでくれた。シカ肉が苦手な人にもこれは使える方法なのでぜひ試してほしい。
2013年3月5日火曜日
猟友会総会
私が所属する猟友会の総会に参加した。近くの健康センターで12時30分から総会が開催され、終了後は懇親会という流れである。出席人数は20名。私は初参加ということもあり、初めて顔を見る方が多い。
総会では平成25年度の活動計画を決定。懇親会では参加者同士で情報交換を行うが、私にとっては貴重な情報ばかり。その一部を紹介したい。
○クマを狙う時は自分よりも上にいるクマを撃ってはダメ。下に降りてくる勢いで襲ってくる。心臓を撃ち抜いても100メートルは走る。
○手負いのクマを仕留めに山に入った時のこと、雨が降っていたので銃にカバーをかけていた。犬がそわそわし始めて後ろを振り返った途端にクマが襲いかかってきた。カバーを外すのに手間取り、クマがのしかかってきた時に一発撃ったところアゴの骨を撃ち抜いた。クマは頭に噛みついてきたが、下アゴが砕けた状態だったので致命傷には至らず、大ケガで済んだ。
○シカ肉の味は何をエサにしているかで変わる。ニンジンを食べているシカ肉はとても美味しく、リンゴを食べているシカのレバーは絶品だった。
○シカの放血で首を切っても心臓を止まっている状態でやってもダメ。それよりもいち早く内臓を抜いた方が良い。また、ビニール袋で肉を運ぶのはやめた方がいい。蒸れるし臭いも残る。
この他にも色々あるのだが、普段なかなか聞けない話もあって参考になった。猟友会の先輩方の話を聞いていつも思うのは人それぞれのやり方があってそれでうまくやっているということ。未熟な自分としては聞くものすべてが新鮮なのだが、参考になるものをひとつでも取り入れることができればと思っている。
2013年2月28日木曜日
共同猟&解体研修会
2月24日、札幌支部の共同猟と新人を対象とした解体研修会に参加した。集合場所である安平町の気温は-10℃と非常に寒い。
午前中は共同猟ということで厚真町方面に移動。午後からの解体実習に使う個体をメンバー全員が協力して捕獲するというもの。林道入口でスキーやスノーシューを履き、山へと入る。
私は林道下部での待ちに付く。私の担当は砂防ダムの50m横。正面の斜面を下りてくるシカを撃つことになる。やがて勢子のコールが聞こえてきたが、無線を聞いているとシカはかなり上の方にいる模様。1時間後、どうやら上部を切られたとのことで待ちは解除。それでも上部で2頭を押さえたようで下部の待ち組が回収の応援に向かう。
上部で捕獲した班と合流してバトンタッチ。大きな個体であり重量もかなりあるので内臓を抜いて運んできたとのこと。
シカの首にロープをかけて林道入口まで引っ張っていく。雪の上なので意外と運びやすい。
とりあえず林道入口まで運んで終了。ここで内臓を抜いていない個体を使って解体実習を行うことになった。
腹部を開くときは内臓を傷つけないよう刃先を上にして胸から腹に向かって開いていく。最も基本的な動作の一つ。
このRV車の後部には手動ウインチが装着されていてシカを吊るすことができる。吊るした方が作業は格段にやりやすい。内臓をごそっという感じで取り出すことができる。
内臓の中からシカの心臓を取り出す。コリコリした食感がおいしい部位である。ついさっきまでは動いていた体の一部であるが、命を頂くというのはこういうことなんだなと思う。
午後からは猟友会のメンバーが所有する倉庫へ移動する。ここにはウインチなどの解体用の設備が整っている。
1頭のシカを枝肉にする作業を行う。内臓を取った個体の皮を剥ぐところから始める。あまり力を入れず、ナイフの腹を軽く当てるだけで皮は簡単に剥がれていく。
胴体から頭を切り離す作業である。アゴの下から耳の後ろに向かって刃を入れていくのであるが、これが意外と難しい。首は一ヶ所でつながっているのでそこを切るといいらしいが、簡単にはいかない。やはり何度も経験を積まなければならないものである。
枝肉の最後の仕上げ。皮を剥いだ後、吊るして背骨の真ん中を電動ノコギリで切っていく。こうなるともう単なる肉の塊としか思えない。
そのあとは枝肉から各部位にばらしていく作業である。もも肉を「シンタマ」「内もも」「外もも」といった部位に分け、さらに前足やロース、内ロース(フィレ)などの各部位も細かく分けていく。どこがどの部分なのかさっぱりわからないが、骨に沿って切っていくのがポイントのようだ。
作業が終わった後は全員でシカの焼肉を食べる。シカ肉は炭で焼くととても美味しい。フライパンで焼いたものとは全然違う。これなら誰が食べても喜ぶと思う。
16時に全日程が終了。体力的にも精神的にもかなり疲れたが、充実した1日となった。
今回の研修会を振り返ってみて思ったのは、熟練者の解体方法は無理な力をかけていないということ。強いて言えば流れるようなものだった。今まで何が正しい方法なのかわからずに自己流で解体をやってきたが、やはり物事には決まったやり方があり、基本的なことをきちんと学ぶことが大切なのだと思う。そういう意味で今回の研修会で得たものは非常に大きいと感じた。
2013年2月11日月曜日
今シーズン初獲物
昨年末から胃の調子が急激に悪くなった。医者が言うには何ともないとのことなのだが、体重は1年前に比べて5キロも減っているし、食べるとすぐに胃が張ってくる。そんな状態で年が明けても猟に行けない日々が続いていたが、最近になって何とか回復、久し振りのエゾシカ猟ということで道北の滝上町へと向かう。札幌から3時間強と結構遠いが、エゾシカの生息数が多いこととあわせてハンターがエゾシカを捕獲しやすいように冬期間通行止めの道路を除雪して開放するなど狩猟のための環境が整っているのである。
エゾシカを探しながらゆっくりと車を走らせると、左手の林の中に1頭のエゾシカを発見。距離は50m位だろうか。気付かれないように獲物へと近付いていく。
獲物もこちらに気が付いたようでゆっくりと歩き始めた。撃つなら今しかない。右斜め後ろの難しい位置からネックを狙って引き金を引いた。轟音とともにエゾシカは倒れた。1歳のメスだった。
手早く解体を済ませ、来た道を戻る。遠くの林の中に1頭のエゾシカを見つけた。距離は約150m。1発、2発と撃つが全く獲物に当たる気配がない。結局5発撃ったが1発も当たらず。エゾシカは悠々と逃げていった。スラッグ弾がどの程度落ちるのかわかっていない私の負けである。
帰る途中、気温が上がってきたこととあわせて多くのエゾシカが出没してきた。人間の姿を見ても全く逃げない。もうこれ以上撃つ気にもならず猟場を後にした。
滝上町におけるエゾシカの生息密度は相変わらず高いが、これでは農林業被害もかなりのものであろう。行政がエゾシカ対策に積極的なのも当然とはいえ、人を恐れぬエゾシカほど恐いものはないかもしれない。
登録:
投稿 (Atom)
