7月12日、いよいよ射撃教習の日がやってきた。実際に散弾銃を使ってクレー射撃を行い、教習の最後に行われる検定では25枚中2枚以上のクレーを割らなければ不合格になるというもの。散弾銃を初めて撃つ自分としては最大の難関である。不安を抱えながら江丹別にある「旭川国際クレー射撃場」へと向かった。
「旭川国際クレー射撃場」は旭川市内から30分ほどの山の中にある。受付を済ませるとすでに先行者が射撃を行っている音が聞こえる。散弾の発射音は想像以上に大きく「ドーン」という音があたりに響き渡る。今回の受講者は私を含めて3名である。
午前中は座学が中心。テキストによる銃の取り扱いの勉強のあと、銃の分解と組立の実技試験がある。こちらの方は狩猟免許の取得で習ったものばかりなので特に問題はない。
午後から実弾射撃の練習になる。これがクレーという「皿」であり、大きさは直径15㎝位で意外と小さい。今回は「トラップ射撃」という方法で行われ、様々な方向へ離れながら飛んでいくクレーを撃ち落とさなければならない。果たして撃ち落とすことができるのだろうか…。
散弾実包75発を購入。はじめの25発は練習である。緊張しながら銃に弾を入れて構えて引き金を引く。「ドーン」という音とともに肩に衝撃が走る。「これが銃を撃つということなのか…」初めて撃ったその反動の強さに銃を持つ手が震えた。
次に実際に飛んでいるクレーを撃つ練習をするが、ほとんど当たらない。先生が言うには「構えが出来ていない」「引き金を引くタイミングが遅い」「違う方向を向いて撃っている」とのこと。10発撃ってまぐれで1発当たるかどうかという散々な状態。他の2人はきちんとクレーに当たっているが、このままでは自分だけが不合格になるかもしれない。先生から構え方や撃つタイミングについて徹底的に指導を受け、やっと本番に入ることになった。
私の順番は3番目。先の2人はすでに合格している。
先ず1発目。おっ!当たった!
次に2発目。これも当たった!さっきまで全然当たらなかったのに構えを変えたら当たるようになった。
もう周りのことは何も見えない。とにかくクレーにだけ集中する。汗だくになりながらひたすら撃った。
25発撃ち終わり、命中は8発。はじめはどうなることかと思ったが、何とか合格することができた。
最後に教習修了証明書をもらって終了。暑さと疲労が重なり声も出ない状態。
初めて実弾射撃を行った感想としては、射撃というスポーツは思ったよりもハードなスポーツだということ。今回は休みながら75発を撃ったが、通常は4ラウンドで合計100発を撃つのだという。基礎的な体力もそうだが、基本をきちんと学ぶことの大切さを知った。
それともうひとつ、今日の結果を振り返って思ったことは、銃を手にしたからといってすぐに獲物を獲るというのは無理だということ。狙った通りに銃を撃つというのは思ったよりも難しいし、この世界、経験に裏打ちされた技術というのが間違いなくある。現在猟師として活躍されている人たちは何度も練習を繰り返し、さらに実戦を積んできたのだと思う。1人前の猟師になるにはまだまだ道のりは遠いことを思い知らされた1日でもあった。