2011年11月20日日曜日

トラップ射撃&スキート射撃

申請していた追加の散弾銃の許可がやっと下りた。もちろん中古だが、とりあえず撃ってみないとどんな感じなのかわからないので、美瑛町にあるクレー射撃場に練習に行くことにする。

この射撃場は猟友会が運営しているもの。利用料も安くてスタッフもとても親切である。

はじめにトラップ射撃を試してみる。これは15m先の発射台から前方に飛んでいくクレーを撃つもの。1ラウンド25発を撃つのだが、1回目6発、2回目4発、3回目2発とやればやるほど悪くなる。やはり止まっている標的を撃つのとはわけが違う。

クレーの発射台を見せてもらう。こんな感じで5ヶ所からそれぞれの方向へ飛ぶようになっている。ちなみにクレー射撃は止めて撃ってはダメ。流すように撃つのがコツだそうだ。

続いてスキート射撃を試してみる。クレーが左右の発射台から横に飛ぶ形になっており、トラップ射撃とは全く違うものである。

今回は「猟友会ルール」なるものでやってみる。1番から7番までの射台を順に回るのだが、右、左の他に左右から同時に出ることもある。クレーのスピードが速すぎ、目の前を素通り多数で悪戦苦闘。結果は25枚中4枚。

結果は散々だったが、今回はとりあえず撃ってみることが目的なので仕方がない。スキートは初めての経験だったが、なかなか面白い。また、カモなどの実猟にも向いているとのことなので是非またやってみたいと思う。

2011年11月19日土曜日

コガモのロースト

共猟で獲れたコガモ1羽をいただいた。羽は現地でむしって軽く毛を焼いておく。お尻の方から指で内臓を取り、表面をよく洗って冷蔵庫に入れておく。

数日後に冷蔵庫から出して「コガモのロースト」を作る。まずクレイジーソルトを表面と内側にすりこんでおく。

次にオーブンを180℃に熱して約1時間じっくりと焼く。かなり大量の油が落ちてくるので、それをカモの表面に時々塗りながら焼きあげる。今回はレバーや砂肝も一緒に焼いてみる。

1時間後、良い感じに焼き上がった。熱いうちに食べてみる。胸肉の部分からナイフで切り分けていく。

身が締まっていて濃厚な風味があり、とても美味しい。ただし、コガモは小さいので胸肉の部分を食べると後はほとんど食べるところがなく若干物足りない感じ。砂肝も食べてみたが、中の砂を取りだしていなかったので口の中が砂だらけに。まあ最初なのでこんなものだが、これからも色々と試してみたい。

2011年11月18日金曜日

猟友会という組織

狩猟を始めるにあたってすぐに地元の猟友会に入会した。
猟友会の組織は、全国組織の「大日本猟友会」、全道段階の「北海道猟友会」、地区段階の「支部」、さらに住所地により設置される「部会」の四段階になっており、原則これらの全てに加入する形となっている。年会費は大日本3,000円、北海道4,000円、支部4,500円、部会3,000円。実際の活動は支部や部会が主体となって行われる。

鉄砲と狩猟免許さえあれば自由に狩猟ができるというわけではない。狩猟をするためには北海道に「狩猟税」として16,500円を納め、狩猟者登録をする必要がある。ちなみにこれがその記章。なお、狩猟者登録するには「ハンター保険」に加入することが絶対要件である。私が加入したのはEセット(賠償責任補償1億円、傷害補償278万円)で年間保険料3000円のタイプである。


また狩猟者登録をしたからといってどこで狩猟をしてもいいわけではない。鳥獣保護区など狩猟をしてはいけない区域や銃を使った猟ができない区域もある。そういう地域を地図上にプロットしたものが「鳥獣保護区等位置図」である。北海道から全ての狩猟者登録者にこれが配布される。


ページを開くと鳥獣保護区などの区域が地図上で色分けされている。ちなみに赤い色で囲まれている部分が「鳥獣保護区」、青い部分が「特定猟具使用禁止区域」いわゆる銃を使う狩猟が禁止されている区域である。これらを頭に入れて狩猟をしなければならない。

猟友会も最初は恐い人たちの集まりといったイメージだったが、入ってみると全然そうではなく、特に新人に対しては面倒見のいい人が多い。時々、宴会もあって猟や銃の話で盛り上がる。この日はイノシシ鍋をいただく。メンバーが府県の猟師から送ってもらったとのことで、ヨコの結束が強いのも猟友会の特徴である。


その次の週はメンバーが獲ったクマをみんなでいただく。こうして仲間で獲物を分け合うというのも猟友会のしきたりのようだ。ベテラン猟師の話を聞いていると、獲物の撃ち方やさばき方などは人それぞれのやり方があって、誰のやり方が正しいのかわからないこともある。ある人曰く「みんな自分のやり方がいいと思ってるんだから、経験積んで自分がいいと思うやり方でやったらいいよ。」とのこと。クセのある人が多いが、とても結束力が強い猟友会という組織、なかなか面白いものである。

2011年11月15日火曜日

カモの共猟に学ぶ

先週末のエゾシカ猟は不発に終わったが、翌日、カモの「共猟」の誘いを受け、喜んで参加することにした。
旭川周辺には水田の近くに数多くの「ため池」があり、そこにカモが集まってくる。ハンター達はカモが集まる「ため池」をたくさん知っているのである。

今回はグループであらかじめ担当を決めて猟が行われる。先ず「待ち」と呼ばれる人達は飛び立ったカモを鉄砲で撃ち落とす役目である。カモが飛ぶ方向を予測しながら鉄砲を構えて待機する。

「勢子(せこ)」はカモを追い出して、待ちの方に飛び立たせる役目である。私はカモ用の散弾銃を持っていないので「勢子」を担当する。72歳のベテランハンターTさんに「勢子」のやり方を教わる。

合図を待って池に近付き、大声を出したり草を揺らしたりしながらカモを追い出す。また、撃ち落とされた獲物を探すのも私の役目である。最初の獲物は「コガモ」だった。

「勢子」が追い出そうとしても草むらに隠れて出てこないカモもいる。また、「待ち」が配置に付く前に「勢子」がカモに気付かれて群れごと逃げていったりと失敗も多い。「勢子」というのは思ったよりも難しいことがわかった。

「勢子」はむやみにカモを追い出すのではなく、地形や風向きなどを考えながら行わなければならない。そして「待ち」が撃ちやすいところにカモを飛び立たせること、言葉でいうほど簡単なことではないが「勢子」を極めることが狩猟の極意でもあるという。相手のために自分がどう行動するか、このことは今の自分の仕事とも共通点がある。

一斉に飛び立つカモをHさんのレミントンがとらえた。大きなメスの「マガモ」だった。今回カモの共猟に参加して学んだのは、獲物を撃つだけが猟ではないということ。それだけではない。いつか一人前の「勢子」になること。自分にとってとても大きな目標ができたと思う。
 

2011年11月11日金曜日

シカ肉の生姜焼き

今回獲ったエゾシカを食べてみることにした。「生姜焼き」を作ってみることにする。使用する部位は「もも肉」。獲ってすぐよりも冷蔵庫で数日熟成させた方が美味しくなるらしい。


「もも肉」を薄くスライスする。意外とスジが無く簡単に切れる。


スライスした肉をタレに付ける。ちなみにタレは、しょう油大さじ2、酒大さじ2、生姜の搾り汁小さじ1を混ぜるだけ。これに20分ほど漬けておく。

フライパンに油をひいて強火で焼く。中まで火が通ったら出来上がり。非常に簡単である。


生姜のおかげでほとんど臭みはない。おまけに柔らかく脂身がほとんどないのでとてもヘルシーである。他にも色々な食べ方があるようなので研究していきたい。

2011年11月10日木曜日

照準射撃・サイト合わせ

銃を買った状態でそのまま撃っても標的には当たらない。スコープの角度と弾の飛ぶ方向を合わさなければならないのである。また、弾の種類もかなり多く、どの弾が自分の銃に向いているのか実猟に出る前に確かめておく必要がある。そんな理由から、サベージを持って当麻町にあるライフル射撃場を訪れた。

先ず最初に行う作業は銃にスコープを取り付けることである。スコープを銃の金具に付けて撃った衝撃で緩まないよう六角レンチでネジをガチガチに締める。結構力がいる作業である。

標的の大きさは黒い部分(5点以上)が半径10cm、白い部分を含めると半径18㎝である。手前は50m、奥は100mの距離があり、100mともなると肉眼で標的に当てるのは不可能に近い。はじめに手前の50m先の標的に向けてスコープで狙いを定める。

物凄い音と衝撃をともなって弾が発射される。最初の一発は左下の円の外。中心を狙ったのに当たった場所がずれているということはスコープの狙いがずれているということ。少しずつスコープの角度を上や右に変えながら調整すると少しずつ真ん中の黒い部分に当たるようになってきた。一度だけだが標的の中心である10点部分に当たった。

続いて100mの標的に挑戦する。やはり50mとは違って標的が小さい。スコープを覗きながら中心を狙うがどうしても右下にずれる。射撃姿勢や引き金の引き方についてアドバイスを受けながら再度チャレンジ。ほぼ中心に近い9点が2回出たが、自分の技術というよりは道具のおかげのような気がしないでもない。

あまり無理せず20発ほど撃って終了。今回は「レミントン」と「フェデラル」両方のサボットスラッグ弾を用意した。どちらかといえば「レミントン」の方が集弾性が良かった気がするが、やはり銃によって向いている弾も違うらしい。実際に「レミントン」から「フェデラル」に変えた途端、全く違うところに飛んで行った。

この日は10名ほどがこの射撃場で練習をしていた。最初は殺伐とした場所なのかなと思っていたが、ゴルフ練習場と同じ感覚で和気あいあいとした雰囲気。常連の方もいて、私のような初心者に対して周りの人たちもとても親切に接してくれた。これからも射撃練習の場としてここを訪れることになると思うが、また新たな楽しみが増えたことに少し満足しながら帰途に付いた。

2011年11月9日水曜日

エゾシカ猟解禁・デビュー戦

10月1日、猟友会の皆さんとともに初めてのエゾシカ猟に連れて行ってもらう。今年はエゾシカ猟の解禁日が三週間ほど早いとのこと。

愛別町にある林道に入ってすぐにエゾシカに遭遇。あっという間に逃げられるが期待が持てそうである。

ほどなくしてまた1頭を発見。距離は約50m。正面を向いているのでどこを狙っていいのかわからず、胸のあたりに向けて撃つ。大きな音とともにシカが跳ねて茂みに逃げ込んだ。しまった、外したと思ったら仲間からは「ちゃんと当たってるよ」とのこと。50mほど先の草むらで倒れているシカを発見。初めての獲物は小型のメスだった。

弾は胸から腹部を通って腰のあたりで止まっていた。見ると弾頭が大きく広がっている。こうした形で弾頭を回収できることはめったにないとのこと。

さらに林道の奥を進むと3頭の群れに遭遇。ゆっくりと獲物に近付くが、お尻をこちらに向けていて急所を狙えない状態。距離は約50m。手前のシカを狙ってゆっくりと引き金を引く。やはり弾は完全に外れ、発射音と同時に3頭がバラバラと動くが、すぐに何も無かったかのようにシカの動きが止まった。真ん中の1頭が完全に横を向いている。落ち着いて「あばら3枚目」を狙って引き金を引く。「パーン!」という音とともにシカはその場に崩れ落ちた。

今回の獲物は先ほどより一回り大きいメス。弾はシカの首を貫通しており、「ネックショット」と言う最も理想的な形。今回は「まぐれ当たり」以外の何物でもないが、シカを苦しませずに仕留めることが大切なのだという。初めての猟にして2頭も仕留めることができたのは自分にとって出来すぎの内容だった。

2011年11月8日火曜日

猟師になるために要する費用は?

ここに至るまでかかった費用はざっとこんな感じである。
<狩猟免許関係>
・狩猟免許予備講習(銃・わな合わせて)10,000円
・狩猟免許受験手数料(第一種銃猟)5,200円
・狩猟免許受験手数料(わな猟)5,200円
・健康診断書2,625円
・返信用切手代・その他280円                 
  合 計        23,305円

<初心者講習関係>
・講習料6,800円

<射撃教習関係>
・申請手数料8,900円
・戸籍抄本手数料450円
・身分証明書手数料300円
・住民票手数料350円
・猟銃用火薬類譲受許可証2,400円
・健康診断書2,625円
・写真代1,500円
・射撃講習料31,500円
・装弾代3,150円
・返信用切手代・その他350円                
  合 計       51,525円

<銃砲所持許可関係>
・申請手数料10.500円
・身分証明書手数料300円
・健康診断書3,000円
・切手代350円                                       
    合 計                 14,150円

<猟友会関係・その他>
・狩猟税16,500円
・大日本猟友会費3,000円
・北海道猟友会費4,000円
・猟友会支部会費4,500円
・猟友会部会費3,000円
・ハンター保険3,000円                           
  合 計              34,000円

以上、狩猟免許取得や銃砲所持許可にかかる経費が約10万円である。あわせて必要な備品であるガンロッカーと装弾ロッカーが5万円位。猟銃はピンからキリまで幅が広く、中古で5万円位、新品だと15万円位からある。この他に狩猟税や猟友会費が毎年3万4千円かかる形である。

2011年11月7日月曜日

所持許可認定&猟銃購入

8月も終わりかかった頃、所轄の警察署から「銃砲所持許可が下りたので許可証を取りに来るように」との電話が来た。許可証は手帳のようになっていて許可を受けた銃の内容が記載されている。また、実包を買う時の許可証として使われるページも綴じられており、銃を持ち歩く際には必ず携帯しなければならない。

9月になり、許可証を持って銃砲店に行く。すでに注文していた銃は届いており、銃を受け取って所轄の警察署に行く。許可証の内容と実際の銃が同じものなのか確認する手続きが必要なためだ。確認はすぐに終わり、これでやっと自分の銃を手にすることができた。初心者講習会の申請からスタートして所持するまで6カ月を要したことになる。また、ベテランハンターとの交流を深めていくため、地元の猟友会にも入会した。

今回購入したのは「サベージ220F」というボルト式ハーフライフル銃。分類上は「ライフル銃及び散弾銃以外の猟銃」に該当し、サボットスラッグ弾という実包を使うものである。ちなみにこの銃の実包のサイズは20番と少し小さめ。また、下側には2発入りの弾倉がある。

ボルト式の特徴であるレバーを上げて手前に引くと薬きょうが排出されて次の実包が装てんされる。ライフル銃はほとんどがこのタイプであるが、ライフル銃以外のボルト式というのは少ない。

この銃は銃腔内の半分(ハーフ)にライフリングという溝が刻まれていて弾に回転を与えて命中精度を上げる形になっている。ちなみに銃腔内全部にライフリングが刻まれているのがいわゆる「ライフル銃」であるが、これは散弾銃所持経験が10年ないと所持が許可されない。

遠くにいるエゾシカを狙うために必要なスコープもあわせて購入。機種は「リューポルドVX-1・3×9」というアメリカ製のもの。銃に取り付ける「望遠鏡」であり、これを付けると遠い標的がはっきり見える。ただし、狩猟に行く前にサイト合わせをしておかないと全然当たらないらしい。やはり出猟前に調整しなければならないようだ。 

スコープを付けるとこんな感じ。見た目は映画なんかに出てくる銃とそっくりであるが、まぎれもなく本物の銃である。初めて銃を持った感想は、まさに「ずっしりと重たい」感じ。銃そのものの重さということもあるが、それ以上に銃を所持することでの色々な何かが重くのしかかってきているということだと思う。 

銃砲所持許可申請

7月25日、射撃教習を修了したので、所轄の警察署に「銃砲所持許可申請」に行く。この人物に銃を持たせて良いかどうかの最終審査であり、これまた多くの書類を作らなければならない。

①銃砲所持許可申請書
②譲渡等承諾書
③同居親族書
④診断書
⑤身分証明書
⑥誓約書
⑦講習修了証明書
⑧教習修了証明書
⑨狩猟免許状
⑩銃砲保管設備に関する報告書
⑪面接補助表
⑫写真2枚

この中で新たに作成しなければならないのは①と⑩である。ちなみに申請書には10500円の印紙を貼り付けする。③と⑥と⑪は教習資格申請の時に作成したものと基本的には同じ。④はいつもの病院、⑤は本籍地の役場、⑫は写真店でとってくる。⑦と⑧と⑨は原本を持っていき警察にてコピーする。

なお、銃砲所持許可申請にあたっては、あらかじめ自分の買う銃を決めた上で申請することが必要になる。一通りの書類を提出した後、いつもの担当官から面接が行われる。先の教習資格申請で私のことは調査済みのようで、それを前提としたやりとりが行われる。

担当官「その後、シカの被害はどんな状況ですか?」
私「農家の方とはあいかわらずシカの話題で持ち切りですね。何とかしてくれといつも言われます」
担当官「近隣住人の方はとても好意的ですね」
私「はい。銃を持つことを話したら頑張って下さいと励まされました」
この他に、銃の保管場所の状況や近所とのトラブルがないかなど聞かれて終了。

担当官に聞くと所持許可がおりるまで申請した日から約1カ月かかるとのこと。今回は電話による調査だけではなく、実際に銃を保管する場所の確認や関係者に対する訪問調査もあるらしい。やっぱりこの場に及んでもそこまでしないとダメなんだろうなあと思いつつ、さらに待つ日が続く。

射撃教習

7月12日、いよいよ射撃教習の日がやってきた。実際に散弾銃を使ってクレー射撃を行い、教習の最後に行われる検定では25枚中2枚以上のクレーを割らなければ不合格になるというもの。散弾銃を初めて撃つ自分としては最大の難関である。不安を抱えながら江丹別にある「旭川国際クレー射撃場」へと向かった。
「旭川国際クレー射撃場」は旭川市内から30分ほどの山の中にある。受付を済ませるとすでに先行者が射撃を行っている音が聞こえる。散弾の発射音は想像以上に大きく「ドーン」という音があたりに響き渡る。今回の受講者は私を含めて3名である。

午前中は座学が中心。テキストによる銃の取り扱いの勉強のあと、銃の分解と組立の実技試験がある。こちらの方は狩猟免許の取得で習ったものばかりなので特に問題はない。

午後から実弾射撃の練習になる。これがクレーという「皿」であり、大きさは直径15㎝位で意外と小さい。今回は「トラップ射撃」という方法で行われ、様々な方向へ離れながら飛んでいくクレーを撃ち落とさなければならない。果たして撃ち落とすことができるのだろうか…。

散弾実包75発を購入。はじめの25発は練習である。緊張しながら銃に弾を入れて構えて引き金を引く。「ドーン」という音とともに肩に衝撃が走る。「これが銃を撃つということなのか…」初めて撃ったその反動の強さに銃を持つ手が震えた。

次に実際に飛んでいるクレーを撃つ練習をするが、ほとんど当たらない。先生が言うには「構えが出来ていない」「引き金を引くタイミングが遅い」「違う方向を向いて撃っている」とのこと。10発撃ってまぐれで1発当たるかどうかという散々な状態。他の2人はきちんとクレーに当たっているが、このままでは自分だけが不合格になるかもしれない。先生から構え方や撃つタイミングについて徹底的に指導を受け、やっと本番に入ることになった。
私の順番は3番目。先の2人はすでに合格している。
先ず1発目。おっ!当たった!
次に2発目。これも当たった!さっきまで全然当たらなかったのに構えを変えたら当たるようになった。
もう周りのことは何も見えない。とにかくクレーにだけ集中する。汗だくになりながらひたすら撃った。
25発撃ち終わり、命中は8発。はじめはどうなることかと思ったが、何とか合格することができた。

最後に教習修了証明書をもらって終了。暑さと疲労が重なり声も出ない状態。
初めて実弾射撃を行った感想としては、射撃というスポーツは思ったよりもハードなスポーツだということ。今回は休みながら75発を撃ったが、通常は4ラウンドで合計100発を撃つのだという。基礎的な体力もそうだが、基本をきちんと学ぶことの大切さを知った。

それともうひとつ、今日の結果を振り返って思ったことは、銃を手にしたからといってすぐに獲物を獲るというのは無理だということ。狙った通りに銃を撃つというのは思ったよりも難しいし、この世界、経験に裏打ちされた技術というのが間違いなくある。現在猟師として活躍されている人たちは何度も練習を繰り返し、さらに実戦を積んできたのだと思う。1人前の猟師になるにはまだまだ道のりは遠いことを思い知らされた1日でもあった。