2013年10月27日日曜日

居鳥狙い

最近仕事が忙しく、休みの日には色々とやらなければならないことが多い。土曜日の午前中も庭木の冬囲いや髪を切りに行ったり、結局いつもの猟場に着いたのは午後3時。日没までそれほど時間はないが、水面にカモの姿を見つけた。
 
猟師になりたての頃、先輩猟師から居鳥狙いという方法を教わった。ゆっくりと獲物に近付いて水面に浮いているカモを狙うもの。「簡単そうだけど難しいぞ」とその先輩猟師は言っていた。初心に帰りつつ地面を這うようにしながら獲物に近付いていく。
 
水面には4羽のカモがゆっくりと泳いでいる。2羽が重なった瞬間に引金を引いた。水面に水柱があがった後、2羽のカモが羽をバタつかせている。止めを入れようと近付いた瞬間、1羽が水中に潜った。しまった、半矢だ。もう1羽に向けて発砲するが、なかなか動きが止まらず、4発目でやっと止まった。獲物はヒドリガモのメス。水面に浮いているカモは驚くほど矢に強い。先輩猟師の言葉を実感しながら猟場を後にした。
 
 さて、改良型カモキャッチャーをさっそく実戦で使ってみたが、着水したとたんにウキに通してあるPEラインが切れてしまい、見ての通り無残な姿に・・・。オモリとウキの接続方法をもっと強力なものにした方が良さそうだ。私の自作カモキャッチャーも発展途上から脱しきれないようである。
 

2013年10月26日土曜日

続・改良カモキャッチャー

先日猟場で出合った先輩ハンターが使っていたカモキャッチャーを見よう見まねで作ってみた。材料は引っ掛け針、ウキ、オモリ、スイベル。すべて釣具店で買ってきたものである。

ウキはこのサイズがちょうど良いらしい。かなりの浮力があるとのこと。

オモリは25号を使用。ある程度の重さがないと遠くまで飛ばすことができない。大切なのはウキとオモリのバランスである。

引っ掛け針はウキの前に来るようにする。ちなみにウキは中通しになっているので丈夫なPEラインを通してオモリと針を接続する形にしている。

先輩ハンターが使っていたものとは少し異なるが、だいたいこんな感じである。長めのサオを使うと50mは飛ばせるとのこと。さっそく使うのが楽しみだ。
 

2013年10月24日木曜日

エゾシカ料理試食会

22日、私が所属する日本技術士会北海道北海道本部の「エゾシカ研究会」に出席。この研究会ではエゾシカの有効活用、特に養鹿を新たな産業とすることをテーマとして研究を行っている。今回はエゾシカの様々な部位を使った料理や牛肉との食べ比べによって今後のエゾシカ肉利用の可能性を探るという趣旨によりホテルKKR札幌にて開催。料理長に特別にお願いして実現可能となった。
 
今回のメニューはデザートも含めて7種類。デザート以外は全て肉料理である。メニューの名前はフランス語を主体として命名されている。
 
はじめは「エゾシカ肩ロース肉のスモークとレバームースのサラダ仕立て」である。肩ロース肉は10日間ソミュール液に漬け込んでからスモークして数日間真空パックで熟成。スモークの香りが味わい深い。また、レバーペーストは氷水で血抜きしてからミキサーで牛乳と豚の背脂で混ぜてバターを加えて仕上げたもの。レバーの臭みは全く無く、パンに付けて食べるととても美味しい。 
 
続いて「エゾシカモモ肉のシャリアピンパネ」である。ちなみにシャリアピンは肉をタマネギのみじん切りに漬け込む手法で、パネはカツレツのこと。エゾシカモモ肉は脂肪が少ないので油で揚げた料理が合うらしい。何と言ってもクリームソースが絶品で、添えてあるバターライスとアスパラも肉とソースに良く合っている。今回の料理で私が一番おいしかったのはこれだと思った。 
 
続いて「エゾシカスネ肉のブレゼ」である。ちなみにブレゼとはフランス語で「煮込んだ」という意味。デミグラスソースでスネ肉を4時間煮込んでおり、スネ肉とは思えないほど柔らかい。付け合せにニンジンのグラッセ、サヤエンドウ、クリが添えられている。ちなみに鉄分が多いシカ肉には甘い野菜や果実が良く合うとのこと。 
 
 ブレゼに添えられた「エゾシカコンソメ」である。牛骨の髄を5時間煮込んだものをベースにシカ肉の端材をじっくり煮込んだもの。卵白を入れて濾すことで澄んだスープになるらしい。エゾシカのつくねとタピオカが入っている。あまりにも美味しくてもう言葉が出ない。
 
今回のメインである「エゾシカロース肉の低温ロースト」である。中心温度が48~49℃になるように焼き上げる。肉の色はきれいな赤色だが、温度が少しでも高いとこういう色にはならない。これがシカ肉かと思うほど素晴らしい味。ちなみにこの後、道産牛ロース肉と食べ比べてみたが、シカ肉とは全く違うジャンルのものであることがはっきりわかった。もちろん牛肉もとても美味しい。 
 
最後に出てきたのが「エゾシカバラ肉のカレー」である。エゾシカ肉で唯一脂肪の多い部位であるバラ肉を料理長特製のカレールーで煮込んだもの。これが本物のカレーなんだと思わせるほどの絶品。いつも使わずに捨てていたエゾシカバラ肉だが、何だかとてももったいないことをしていたと反省の念しきり・・・。
 
 料理長から今回の料理について一つづつ丁寧な説明があった。食材としてのグレードでは牛肉よりもシカ肉の方が圧倒的に上であること、牛肉に比べてシカ肉はデリケートであり、と畜や血抜きの状態で肉質がかなり異なってくること、シカ肉の消費拡大のためには一般家庭のおかずとして手軽にシカ肉料理が作れること、など日頃の思いを語ってくれた。また、料理長は「常に安心、安全、正直な料理を作ることを心掛けている」とのこと。今回の料理がまさにその答えなんだと思う。
 
今回は特別に低料金でやっていただいたが、通常この内容であればその3倍はかかるらしい。それだけに料理長が趣向を凝らした自信作が数多く並んでいた。やはり料理というのはシェフの腕に大きく左右されるものであり、特にシカ肉ではその傾向が顕著に現れる。当然、その料理もプロが作れば素晴らしいものになるし、何も知らない素人が作れば不味くもなる。プロしか扱えないものではなく一般家庭で定着させるにはどうしたらいいか、エゾシカ肉消費の今後の方向性について非常に参考になる試食会であった。 

2013年10月22日火曜日

こだわりのイヤホン

狩猟にとって無線機のイヤホンは音を外に漏らさないための必需品である。現在使っているイヤホンは耳掛式だが、ヤブ漕ぎ等で耳から外れることが多く、どうもしっくりこないものだった。

先日、東京へ出張に行く機会があり、空き時間に寄った秋葉原のラジオセンターでアシダ音響のPR-17という業務用イヤホンを購入した。警察官も使っているとのことで「Pチャンイヤホン」と呼ばれているらしい。価格は1500円とイヤホンにしては少し高めだが、他にはない工夫がされている。
 
まず音量を最小にしても十分聞こえるので省電力効果が期待できる。また、コード部とイヤホン部が別々になるので故障や破損の際には取り替えも可能。さらに、コードがねじれていることで変なクセがつかないのもいい。

ハンディマイクに取り付けるとこんな感じ。強いて言えばコード長は1mもいらないように思う。日本人は業務用という謳い文句に弱いものだが、これからしばらくは「Pチャンイヤホン」のお世話になりそうだ。



2013年10月20日日曜日

デコイ試し猟

さて、昨日我が家に到着したデコイだが、これはあくまでも狩猟道具であって飾り物ではない。その効果がどれほどのものなのか試してみたいのでいつもの池に行くことにした。準備としてデコイが流されないようにオモリを付けた紐を結びつけておく。

とりあえずデコイを水面に浮かべてみる。こうしてみるとなかなかリアルである。よく見なければ本物と見間違えるかもしれない。浮かべてしばらくすると、どこからともなく飛んできたトビがデコイに急接近。持っていかれては困るのですかさず追い払う。
 
ダックコールを鳴らしながら待つこと30分、遠くに3羽のカルガモを発見。さらにダックコールを鳴らし続けるが、全然近付いてこない。あと30分で日の入り時刻になる。やむなく接近戦を挑むことにして、背を低くして距離30mまでゆっくりと近付く。立ち上がった瞬間にカモが飛び立った。絶好の好位置だ。すかさずスイングして瞬間に引金を引く。が、落ちない。安全子がかかっていることに気付いたときにはすでに手遅れ。飛んでいくカモを見送りながら力なく実包を抜いた。

猟も不発に終わったところでデコイの回収作業に入る。カモキャッチャーで回収を試みるが、針が引っかかる場所がない。何度かやっているうちに口ばしと胸の間にウキが挟まるような形にするといいことがわかった。それでも回収は結構大変。すべて回収が終わった頃にはあたりはすっかり薄暗くなっていた。

さて、デコイやダックコールの効果だが、やはりカモの種類によって反応が違うように思う。カワアイサはこちらに近付いてきたが、カルガモは近付いてくるどころか完全に遠巻きに見ている感じだったし、やはり何らかの違和感を感じていたのではないか。デコイを使いこなすにはさらに研究が必要かもしれない。

それはそれとして、とりあえずデコイの皆さん、お仕事お疲れ様でした。

新兵器デコイ

今までのカモ猟は多くのため池を回ってカモと出会う確率を高めていくやり方だった。カモが来そうもないところでじっくりと待つよりも効率はいいのだが、1人であちこち走り回るのは結構負担が大きい。そこで今回、待ち伏せ猟の新たなアイテムとして「デコイ」を使ってみることにした。埼玉県のメーカーから購入。8羽セットで7800円。

種類はマガモのオスとメスが各4羽である。材質はプラスチック製でとても軽い。実物よりも大きい感じがするが、多少大きいほうがカモからもよく見えるのかもしれない。

こちらはマガモのメス。こちらの方がややリアルな感じ。目に隈取りすればカルガモにもなりそうだ。

ダックコールも合わせて購入した。吹くとカモの鳴き声がするものである。実際のカモの鳴き声とは違うような気もするが、デコイと合わせて使用すると効果がアップしそうである。

待ち伏せ中にカモから見つからないようにするためホームセンターでこんなのを見つけた。カモフラ柄のヤッケとパンツである。薄くてペラペラだが、カモフラ効果はありそうだ。上下で1186円。

とりあえずデコイを風呂に浮かせてテストしてみる。かなり浮力があるが、風で流される恐れがある。オモリを付けたり、紐で固定するなど何らかの工夫は必要かもしれない。本当にこれでカモが寄ってくるのかとりあえず試してみようと思う。

2013年10月19日土曜日

第4回ハンターの会

18日、ハンターの会に出席。今回で通算4回目。ジビエ料理を食べながら歓談をということで東区にあるフランス料理店「ル・プルコア・パ・・・」で開催された。なお、今回は道の担当部長も特別ゲストとして出席。
また、新たに森林行政担当のハンターが加入。これで一次産業関係者は農林水産全て揃った形になった。

仕事の関係で開始から1時間ほど遅れて出席。すでに狩猟の話題で盛り上がっている。ちなみに当店のシェフもハンターであり、自分達が獲った獲物をジビエ料理として提供している。これはエゾシカのひき肉をミートソース風にしてご飯の上にのせた料理。エゾシカ肉は赤身が多いためミートソースに向いているようだ。

こちらはエゾシカのハンバーグ。 ジューシーでとてもおいしい。自分の家で作ってももこんな風にはならない。当然だが料理の質はシェフの腕前に左右されるということだろう。
 
今回のメインはエゾシカのロースト。先週仕留めた0歳のオスで非常に良い状態の肉だったとのこと。まさに柔らかくて絶品。エゾシカ肉はまずいという評価をよく聞くが、それは正しくない。やはり肉に合った料理法があるのだと思う。プロが作ると全然違うものになる。
 
最後にデザート。名前は忘れたが、栗味のプリンみたいなものに特製ラムレーズンのアイスクリームがのっている。普段こういう料理を食べ慣れていないからかもしれないが、すべてがおいしい。

今回は少し趣向を凝らしてプチ勉強会も開催。某所から入手した資料をもとに銃規制の実態等について意見交換。狩猟に関する様々な課題について共通認識を持つということも大切なことだ。

そんなこんなで話題も尽きず、終了時刻は午後10時30分。予定の時間を大幅に超過してしまった。この会に出ていつも思うのだが、お互いハンターだということですぐに打ち解けることができ、さらにそれぞれがそれぞれの立場を超えて一つになることができる。色々な課題があってもこれなら乗り越えていけそうな気がするのである。
 

2013年10月14日月曜日

単独カモ猟

昨年の単独猟で獲れたのは1羽だけ。自分の力だけでカモを獲るのはとても難しい。しかし、その難しさにあえて挑戦するというのも悪くない。新たなポイント開拓も兼ねて午前5時30分に自宅を出発した。
 
今日はいつもと反対方向になる大河川の上流側に向かって車を走らせる。しばらく行くと堤防の左側に地図に無い池を発見。さらにカモがたくさんいるのを確認した。足場も良く十分狙える距離だが、ただ一つの問題点は矢先に人家があることだ。
 
そこで池にいるカモを直接狙うのではなく、群れを飛ばして堤防の反対側に飛んできたのを撃つ作戦でいくことにした。わざと見えるように池に近付いてカモの群れを飛び立たせ、急いで堤防の反対側に移動して待ち構える。カモはずっと遠くを飛んでいるが、きっとまた戻ってくるはずだ。
 
予想通りカモはやってきた。草むらに隠れながら群れの真ん中を目がけて連続して発砲する。数発目、1羽のカモが回りながら落ちてきた。構わず次の群れの真ん中を撃つ。さらに1羽が奥の草むらにバサッという音とともに落ちていった。 

回収した獲物はコガモのメス1羽。もう1羽は牧草地の中に入ってしまったため回収を諦めた。猟果はともかく自分の狙い通りにいったというのが何よりの収獲である。

昼頃に帰宅して獲ったコガモをうどんに入れて食べてみた。肉の量は少ないが、独特の風味があっておいしかった。次は「すき焼き」ができるくらいにたくさん獲ってみたいものである。

2013年10月13日日曜日

カモ猟 第3戦

12日、今年3回目のカモ猟に出撃する。メンバーはいつものOさん、Iさんの3名。午前5時に札幌を出発する。最初の場所は先週日曜日に部会の共同猟をやったため池である。
 
昨日の雨と風でこの池に大量のカモが避難しているかと思ったが、池の中はもぬけの殻。カモの姿はどこにも見当たらない。まだ渡りのカモ自体が少ないのだろう。
 
続いて近くの池に移動する。ここで数羽のカモを発見。Iさんが発砲して2羽に命中させるが、どうやら半矢の状態。しばらくすると水面に潜ってしまった。岸際の1羽の回収に向かうが意外に深くて下半身は水浸しに。回収をあきらめ隣町のため池回りへと向かう。
 
こちらも全体的にカモの数は少ないが、何ヶ所かでカモの姿を発見する。先に気付かれて飛ばれたり、脱包したとたんに逃げられたりして成果はゼロ。最初の池に戻ることにする。
            
 
池の近くで他の部会の先輩ハンター2名に出会う。場所を案内しつつ一緒にカモ猟をすることにした。2チームに分かれて挟み撃ちで攻略する。Oさんから無線で我々側に1羽のカモがいるとの連絡が入る。ゆっくりと近付いて水面に浮かぶカモに2発発砲するが全然効いていない。こちらに向かって飛んできたカモを先輩ハンターがすかさず仕留めた。

カモキャッチャーでの回収に取り掛かるが、私の新型はウキが軽すぎてダメ、従来型もギリギリで届かない。やむなく先輩ハンターのカモキャッチャーで回収。獲物はヨシガモのメス。陸ガモの一種で良いダシがでるらしい。ここで先輩ハンターにお礼を言って別れた。


日の入り時刻も迫った午後4時、ラストチャンスということで先週のポイントへと向かう。幸運にも数羽のカモを発見、Oさんが手前、Iさんが対岸、私が奥から攻めることにする。

Iさんが近付いてカモが飛ぶ。すかさずOさんが発砲。川の方を回りながらカモの群れが風上にいる私の方へ進路を変えて飛んできた。近付いてくるのを待って1発目、外れる。カモの1メートル先を目がけて2発目、群れの1羽が体制を崩してドサッという音とともに地面に落ちた。
 
獲物は大きなカルガモだった。弾は羽の付け根に当たっていた。Iさんがカモを飛ばして、Oさんの弾が群れの進路を変え、運良く私の弾が当たった。決して1人では獲れなかったと思う。まさに3人チームでの成果である。
 
今回は新たな仲間との出会いもあった。連携プレーによる共同猟の楽しさも知った。狩猟ってほんとに素晴らしい趣味だと思う。